飄々とした彼へ
6年前か・・・ある絵画展に出向き、一点の絵に心奪われてしまった。 奈良県にある興福寺の阿修羅像である。 ニッポンの国宝100に選ばれる仏像で、熱心なファンもいるほどだ。 三つの顔を持ち六本の腕を持つ阿修羅像は 【三面六臂(さんめんろっぴ)】とも呼ばれていて、 一人で何人分の働きをし、多方面にわたって活躍することだ。 お顔が少年、ということもあり人気のひとつなのかもしれない。 6年前は大病を患ってから1年の経過となり、これからの不安や、 仕事への復帰、ご心配をおかけした方々への恩返しなどを考えていたと思う。 あれからである。 何ら変わりもなく、のんべんだらりと月日は流れ、定年は目の前となった。 …
2021/02/11 09:47