宝物のような時間を生きていた
とんでもなく愛しい時間を過ごしていたんだなと思った。 あの時の僕は、人に心を閉ざしていて、今ある時間が全てだと信じていて、ここにある幸せを味わい尽くすことができれば、それだけで満足できた。必死に生きていた。 時は過ぎた。 手元には過ぎ去った時間の残り香。何気なく残した記録に、切ない気持ちでいっぱいになりながら時間を過ごしていた僕の最上の幸せがこもっていた。時間が過ぎるのが悲しかった。自分の見ている光景が移ろっていくのが切なかった。有限の幸せ、過去の僕が何より欲したその時間。どうしようもなく幸せで、だからこそ、消費して失われていくことがただただ切なかった。「今以上なんていらないのに」と本気で思う…
2019/08/02 06:16