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青空のCafétime https://blog.goo.ne.jp/ciel-bleu

唇に詩を。心に青空を。オリジナルの詩と小説、エッセイを掲載します。

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2018/11/03

1件〜100件

  • 雨の土曜日

    連休は雨らしい。せっかくの連休でも特に予定は入れていない。わたしは暑いよりは涼しい方が過ごしやすくて楽でいい。雨。雨が降る。傘のなかできみに寄り添うふたりの肩が半分濡れてもう半分は温かいいつまで降るのかないつまで降るのだろうねきみがいればきみがいてくれるから空の下でふたりは寄り添う今日も雨。雨の土曜日

  • 彼女のDUCATIと夏の対価

    野太いエキゾーストノートが僕の横を過ぎて行く。赤い大型バイクだ。道の先の、膨らんだカーブの木陰で停車する。エンジンが止まるとうるさいほどの蝉の声が戻ってくる。いかつい革ジャンにジーンズ。ブーツ。バイクから降りてヘルメットを脱いだ。女だ。背が高い。僕と同じぐらいだろう。道路脇の自動販売機へ歩いて行く。その横を通り過ぎるときに、バイクのタンクにDUCATI(ドゥカティ)を書いてあるのが見えた。イタリア車なんて珍しい、と思っただけでそのまま行こうとしたら、蝉の声に混じって、背中で「チッ」という舌打ちが聞こえた。チラッと振り返ってみる。しかしその舌打ちは僕に向けられたものではないらしい。バイクの女は自販機に向かって再び舌打ちしてから「ハア」とため息をついた。ああ、なるほど。財布から100円と数枚の10円玉を取り出...彼女のDUCATIと夏の対価

  • きみに首ったけ

    炎天下からガレージに入ると涼しく感じた。大きな木の陰にあるせいなのだろう。汗が引いていくのがわかる。くたびれた扇風機が辺りの空気をかき回している。「アイス買ってきたよ」「サンキュ。そこに置いといてくれ」「早く食べないと溶けちゃう」「ああ。そりゃそうだな。そこのスパナを取ってくれないか」開けたボンネットの中に突っ込んだ頭は振り向きもしない。Tシャツの背中に汗が滲んでいる。「だから溶けちゃうって。せっかく買ってきたんだから」テーブルの上のスパナを彼に渡す。汚れたボルトやら何に使うのかわからない工具類が散らばった作業テーブルは、あちこち凹んで傷だらけだ。オイルの匂いと酸っぱいような草いきれの匂い。唐突にすぐ近くでミーンミーンと蝉が鳴き出した。「夏だね」「そうだな」「アイス食べようよ」「なあナツミ。こんな男と付き...きみに首ったけ

  • 夏恋のマボロシ

    中学2年生ぐらいから高校2年生ぐらいまでのあいだ、鬱陶しい梅雨が明けて一気に暑くなって、カーンと突き抜けた真っ青な空とミーンミーンという蝉の鳴き声がやって来ると、素敵な恋の予感に心が浮ついてワクワクしてソワソワしたものだ。恋は恋をする相手がいなければ成り立たない。それなのに、そのワクワクしてソワソワする夏恋の予感は、そんな相手などいないのに意味もなく勝手にココロが浮つき始める。ステキな恋をしたい、ステキな誰かに巡り合ってステキな恋をしたい。その誰かさんは自分の周りにいる友だちとか知り合いなんかじゃなくて、もっと抽象的な誰かだった。ここにはいない、どこか遠くにいる、あの真っ青な夏空の向こうにいるであろう、わたしのステキな恋の相手。その「ステキ」という点も、なにがどう素敵なのか言えない、具体性を欠いたとにかく...夏恋のマボロシ

  • 夏の後悔

    父の物だった書棚を整理していたら、引き出しの奥から一枚の写真が出てきた。まだ幼いわたしと若い頃の父が写っている。麦わら帽子を被ったわたしは父に肩車をしてもらっている。なぜかふたりとも難しい顔をしてこちらを見ている。季節は夏だ。ふたりの後ろには真っ白な花を木いっぱいに咲かせたキョウチクトウ。今もこの家の庭に、写真の中とほぼ変わらない姿で佇んでいる。抜けるように青く晴れた空の、その高みまで枝を伸ばし、無数の白い花が夏の日差しに輝いて見える。風が吹いた。あんなにいっぱい咲いているのに花の香りはやって来ない。「今日はありがとうね」「あ、うん。別にいいのよ。お母さん」「少し休憩しましょう。麦茶が冷えてるわよ」「ねえ。ほら見て」母に写真を見せる。ちょっと待ってとメガネをかけた母は写真を覗き込んでから笑った。「もうこの...夏の後悔

  • キョウチクトウの夏

    今年もまたキョウチクトウの咲く季節がやって来た。投票所へ向かう坂道の途中で、白い花が満開だった。そういえばまだ蝉の声を聞いていないな。キョウチクトウの夏

  • Boy Meets Girl In Midsummer

    駅近くの裏通り。路上に蓋を開けて置かれたギターケース。ところどころ擦れたような傷があるそれに、財布から取り出した100円玉を入れた。日陰でも暑い。街の雑多な匂いを乗せた生ぬるい風がその人の髪を揺らし、通りの向こうへ抜けて行く。演奏が終わった。周りからまばらな拍手が起こる。彼女の弾き語りを聴いていた小さな人の輪が崩れてゆく。「そこのきみ。待って」立ち去ろうとした僕の背中に彼女の少しハスキーな声。立ち止まって振り返る。「きみ高校生?」「そう、ですけど」「それならこれ、受け取れない」差し出された手の上に百円玉があった。「きみのお小遣いでしょう」「えっ」「いつも聴いてくれて応援してくれてありがとう。でもいつか言おうと思ってたんだ」「で、でも」「働いて自分で稼ぐようになったら、ね。それまでは聴いてくれるだけでいい」...BoyMeetsGirlInMidsummer

  • 弔辞

    政治問題に関する記事は書かないと決めている。社会人になってから、ブログなどのSNSデビューをした頃からのマイ・ルールだ。しかしながら、治安レベルが高いはずの我が国で元首相が暗殺されるという前代未聞の事態に遭遇し、安倍元首相への弔意とともに、今ここで、わたしの思ったこと思っていることを書いてみよう、そう思っただけだ。ただそれだけである。政治の話題はそれぞれの人の信条や考え方の数だけの主張が存在する。SNS上で発せられ見かけるそれらの主張は、しばしば客観を欠いた主観視点で為されているから、それについてまともな議論をする余地もなく価値もない。その人たちは自分の正義をあたかもそれが世界にとっての正義のように押し付けているだけだ。正義が正しくないことは子どもでも知っている。今時のアニメには正義の味方なんて出てこない...弔辞

  • カフェ・ド・ブランシェ物語 Ⅱ 『まぶしい夏とブルージーンズ』後編

    海を望む丘にある小さなカフェ。そこで織りなされる小さな物語と小さなミステリー。⭐︎⭐︎⭐︎「わかったわ!彼女の言葉の意味がわかったよ!」彼女はおそらく知っていた。自分たちが雨宿りしている木陰が危険であることを。「あの木はね。キョウチクトウというのよ。夏の今の時期に咲くの」「キョウチクトウ?へえ。知らなかったな」「花の色は赤やピンクや白。わたしは白いキョウチクトウが好き。このカフェにあるキョウチクトウも白だね」「綺麗ですよね」確かに綺麗なんだけど、でもと言葉を継ぐ。「毒があるのよ」「えっ!毒?」「花を鑑賞するだけなら問題ないわ。丈夫な木だからあちこちに植えられているしね」「ですよね。街中で普通に見かけます」「彼女はキョウチクトウに毒があるのを知っていたと思う。誠也くんはその日は雨が降っていたと言った」「そう...カフェ・ド・ブランシェ物語Ⅱ『まぶしい夏とブルージーンズ』後編

  • カフェ・ド・ブランシェ物語 Ⅱ 『まぶしい夏とブルージーンズ』前編

    海を望む丘にある小さなカフェ。そこで織りなされる小さな物語と小さなミステリー。⭐︎⭐︎⭐︎「ふう。暑い」額に流れる汗をタオルで拭って木陰でひと休み。海からの風が涼しい。カフェの定休日に合わせ、今日は朝の早い時間から、潮風で傷んだテラス席の塗装やら壁の簡単な補修作業を行っていた。正午にはまだだいぶ時間があるというのに真夏の太陽はすでに空高く登っている。「誠也(せいや)くん。ちょっと休憩しよう。アイスコーヒーがあるよ」「おう。いいっすね」やって来た真っ白なTシャツの胸も背中も汗で濡れている。色褪せた洗いざらしのブルージーンズ。ところどころが破けて膝が覗いている。そんな格好が絵になっている。「うまい。このアイスコーヒー美味しいです」「ありがとう」「よその喫茶店のアイスコーヒーとはぜんぜん違うけど、何か秘密がある...カフェ・ド・ブランシェ物語Ⅱ『まぶしい夏とブルージーンズ』前編

  • Open

    坂を登って行くと、やがて右手に白い建物が見えて来る。丘を登り切った僕は、汗を拭いながら、遥か沖まで続いている海を眺める。風が吹いた。潮の匂いがする風だ。白い建物はどうやらカフェらしい。でも営業しているのを見たことがない。しかし今日は駐車スペースに大きなグリーンの車があった。目を移すと「Open」と書かれたプレートが白いドアに下がっていた。開いているのか?自転車を隅の方に置き、カフェのドアを開けた。カランという音。明るい元気な声が僕を迎えた。「いらっしゃいませ!」白いシャツに薄いブルーの前掛けをしたその人。他にはスタッフはいないようだ。焙煎したコーヒ豆の香ばしい匂いが僕の鼻をくすぐる。先客がいた。年配の男性が窓際の席にきちんとジャケットを着て座っている。「どうぞお好きなお席へ」せっかく海が見えるのだからと思...Open

  • 2022 夏

    真の旅人は計画など持たず、どこかに辿り着こうなどとは考えないちょっと寄っただけ。だからどうぞお気になさらずに。また来ます。2022夏

  • カフェ・ド・ブランシェ物語『夏が来る!』後編

    海を望む丘にある小さなカフェ。そこで織りなされる小さな物語と小さなミステリー。前回までのあらすじ→前編をお読みください。☆☆☆「わかりました。奥様が口をきかなくなってしまった原因がわかりました!」興奮のあまり思わず大きな声を出してしまった。驚いた老紳士はコーヒーをこぼしそうになる。「すみません。ごめんなさい。お召し物は大丈夫ですか」「ああ、大丈夫ですよ」ほら、このとおりとわたしに微笑んでみせる。「良かった。今、コーヒーを新しいものにお取り替えします」「いや。いい。大丈夫だから。ありがとう。それより早く貴女の答えを聞きたい」ヒントはコーヒーに添えたミルクだ。しかしそんなことよりも先に、老紳士の期待に満ちた眼差しに応えるべきだろう。「昨晩のメニューは何でしたか」「ああ、そういえばそれはまだお話していなかった。...カフェ・ド・ブランシェ物語『夏が来る!』後編

  • カフェ・ド・ブランシェ物語『夏が来る!』前編

    海を望む丘にある小さなカフェ。そこで織りなされる小さな物語と小さなミステリー。⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎夜まで降り続いた雨も、一晩明けて朝になったら、雲一つない抜けるような青空が広がっていた。予報によれば今日にも梅雨明けが宣言されるらしい。頬に触れる風はいつもの潮の匂いと昨日までは感じなかった熱気を含んでいる。いよいよ夏がやってくるんだ。「よし!開けるよ」誰にともなく張り切った声をかけ、Closeと書かれたプレートを裏返しOpenに変える。開店して間もなく、緑色のセダンが坂をゆっくり登ってくるのが見えたので、お湯を沸かし始める。入り口ドアのベルがカランと鳴り、涼しげなブルーの麻ジャケットに淡いグリーンの蝶ネクタイ、きちんと折り目がついたベージュのコットンパンツ、そして足元はマロンブラウンのウイングチップという英...カフェ・ド・ブランシェ物語『夏が来る!』前編

  • Hot heat girl

    暑い。暑い。暑い。暑いを三つ並べてみたくなるほど暑い。おまけに他人と接する場ではマスクを常時着けていなければならないのが辛いし気分が悪くなる。月の裏側にでも移住しようか。それならウイルスもいないしマスクもいらないから、きっと涼しくて快適だ。ただしウイルスもいない代わりに酸素も無くて、涼しいと言っても絶対零度の涼しさははたして快適なのかという大きな問題がある。閑話休題。女性は冷え性と思い込んでいる男性が多い。しかし世の中の女性が全員冷え性なわけもなく、わたしといえば真夏のこんな暑い日は冷房でキンキンに冷えている環境が大好きだから、女性は冷え性故にわたしも冷え性に違いないと勝手に決めつけるのはやめて欲しい。暑い。でも夏は好き。Hotheatgirl

  • 締め切りとキョウチクトウ

    明日はコンテストの締め切りだ。完結を問わず二万字までで審査すると応募条件にあったので、急いで無理に物語を終わらせなくてもいいやとすでに開き直っている。でもそれは自分への言い訳であることもわかっている。まあいいや。コンテストのお題は男性目線の恋愛もの。三千字程度のショート以外で男性主人公の恋愛なんて・・・でもまあ何とかなるだろう。それに新しいチャレンジは自分のステップアップになるし、失敗したら失敗したでその経験は決して無駄に終わらないはずと考えた。とはいえ、コンテストのために新しいストーリーを起こすのはやめて、未完というか中途半端な出来栄えの作品に手を入れ、納得できるレベルに仕上げることにした。わたしの悪い癖で、ストーリーを思いついたら思いついたところまで書いておかないと気が済まない。プロットをメモしておく程度で...締め切りとキョウチクトウ

  • ペアマグカップの遺憾なデビュー

    そっと窓を開けると水の匂いがした。灰色の空と雨の音。昨日の予報が当たったらしい。少し寒いのでカーディガンを羽織る。コーヒーを淹れようとして、お気に入りのサーバーにヒビが入っていたのを思い出す。昨日の仕事帰りに新しいものを探してこようと思ったいたのに、すっかり忘れていた。仕方がない。一度も使ったことのない、高さ二十センチもある大きなマグカップをサーバーの代わりにしよう。それはレッドとホワイトのペアマグカップで、有名なコーヒースタンドのブランドロゴが書いてある。何かのノベルティだったと思う。どのような経緯でわたしの手元にあるのか、全くと言っていいほど覚えていない。大きすぎて使いづらいという理由から、割れてしまったサーバーの代役としてデビューする今日まで、ただのキッチンの飾りになっていた。ペアなのに一度も出番がないな...ペアマグカップの遺憾なデビュー

  • 夕暮れとノウゼンカズラ

    だいぶ日が伸びた。西の空は夕暮れと呼ぶにはまだ明るい。大谷石の塀の上で、そのまだ明るい空を背景にして、オレンジ色のノウゼンカズラが咲いている。まだ咲き始めたばかり。夏はまだこれからだもの。夕暮れとノウゼンカズラ

  • 雨と萎れかけたスミレ

    少し冷んやりした空気。雲のないすっきり晴れた空。昨夜、雷と共にやって来た雨はすぐに上がったようだ。通りがかりの家のフェンスに掛けられたプランターで、萎れかけているスミレが、雨のせいか少し元気になっている。そんな気持ちよく晴れた朝の水曜日。雨と萎れかけたスミレ

  • 七色の髪の女の子とガラスに映る空の関係。

    映画館の前を通りかかったら、今年の3月に公開された「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」の大きなポスターが目を引いた。ポスターがあるということは上映中なのだろうか。ハーレイちゃんの七色の髪に、ウインドウに映った空がダブって見える。そういえばとamazonを検索したところ、DVD&Blu-rayが6月10日に発売とある。ビデオが出てしまったのにまだ上映中だなんて聞いたことがない。ウイルス禍による営業自粛要請のため、ついこの間まで映画館は閉鎖を余儀なくされていた。それが営業を再開したばかりで業務が滞っているのかもしれない。そういえば。映画なんてしばらく観に行っていないな。そんな火曜日のわたし。七色の髪の女の子とガラスに映る空の関係。

  • 梅雨の晴れ間。月曜日。

    夜のうちに雨が降ったらしい。気づかなかった。その雨も上がり、空は雲の隙間から綺麗な青が見える。ニュースの天気予報コーナーでは、今日は梅雨の晴れ間で暑くなると言っている。梅雨入りしたら空気の匂いが変わった。湿った土の匂いに何かの花の甘い香りが混じる。晴れるとまたそれが変化する。そんな月曜日。梅雨の晴れ間。月曜日。

  • 雨の日のひとりごと。ドライブとずぶ濡れサイクリストの関係。

    梅雨に入って、また雨の季節がやってきた。傘をきちんと差したつもりなのに服が濡れたり、湿気で髪のセットが崩れたりするのはちょっと憂鬱だ。でも雨の日のドライブは嫌いではなかったりする。まだ学生だった頃、夏休みの前に免許を取ろうと教習所に通った時期がちょうど梅雨の時期で、だからたくさんある車のスイッチ類の中で最初に覚えたのがワイパーのスイッチだった。左右に揺れるワイパーのクッ、クッという静かな音。濡れたタイヤの音。ウインドウを流れ落ちる雨粒。そぼ降る雨のドライブは親密な静けさを感じる。その雨の中を、傘も差さずレインコートも無しで走っているスポーツタイプの自転車とすれ違う。乗っているのは中年の男性。ずぶ濡れのようだ。今日は朝から雨なのだから、出かけたら途中で降られてしまったのではないだろう。サイクリングのスタートの時点...雨の日のひとりごと。ドライブとずぶ濡れサイクリストの関係。

  • 夏のあなたと

    太陽に焼かれたダッシュボードが指先に熱いあなたの向こうには蒼い海と青い空微笑んだサングラスに夏が映ってわたしの笑い顔が映っている風は塩っぱい味がしたあなたがアクセルを踏むと海の匂いが強くなる夏のわたしと夏のあなたとふたりの夏はまだ始まったばかりだよ夏のあなたと

  • きみの笑顔をください

    きみは僕の宝物だよきみは僕のすべてなんだだからどこにも行かないでいつも僕のそばにいて欲しい僕はきみが大好きだけれどきみは僕を好きでなくてもいいさ今はそばにいてくれだけでいいそう今はまだそれだけで僕にはそれで十分だよでもひとつだけ欲張りを言ってもいいかなきみの笑顔を僕にくださいきみの笑顔をください

  • 表と裏

    誰の心の内にも相反する感情がある。表と裏。裏と表。表裏一体という言葉のとおり、本来は一つのはずのそれが解離して一人歩きを始めた時、優しい表の顔で人を欺き、その影に隠れた恐ろしい裏の顔で人を貶める悪魔が誕生する。その人はわたしの姉のような存在だった。そのサイトに登録したばかりで慣れない自分にいろいろ教えてくれ、プライベートの相談にも乗ってくれてアドバイスしてくれた。そしてある日、サイトを誹謗中傷の嵐が襲う。その中心となったアカウントはわたしの知らない人だったのだが、文章の雰囲気や言い回しに既視感があった。それが次第に確信へと変化してゆく中で、まさかという思いと信じたくない気持ちが入り混じり、しかし自分の中で間違いないと強く確信するに至った。優しい姉のような人と悪魔のような中傷で人を傷つけ嘲笑う存在は同一人物だった...表と裏

  • これを読んだ方にだけちょっとだけ

    詳しい事情は書けないのです。でも、とりあえず回避しました。ご心配をおかけしました。この記事もすぐに消します。これを読んだ方にだけちょっとだけ

  • 間もなく開店

    検索リンクが切れたようなので間もなく再開します。はあ。怖かった。間もなく開店

  • 事情によりお休み中です

    悪質なネットストーカーへの対策のため、少しの間お休みします。そのためブックマークも外し、記事も全て非公開にしました。状況が落ち着いたら復旧します。事情によりお休み中です

  • おやすみ中

    です。おやすみ中

  • いつものあなた

    通勤のために毎日いつも同じ時間の電車に乗れば同じ人たちに会うわけで、そのつもりがなくても何となく顔を覚える。それはわたしの方ばかりじゃなくて、相手もきっと同じだろう。会うと言ってもおはようとか挨拶を交わすこともないのだが、駅のホームのいつもの場所に立った時に、いつもいるはずの人がいないと、何となく気づく。二十歳ぐらいの女の子だった。いつも黒っぽい地味な服を着て、かわいい顔立ちなんだからもっと明るいファッションにすればいいのにと、毎朝心の中で余計なお世話を焼いていた。わたしとは反対側のホームで一人、電車が来るまでスマホを見ている。その女の子をいつの間にか見かけなくなった。見なくなったのは確か緊急事態宣言が発表された頃だったと思う。解除されたら戻ってくるかなと思ったのに、今現在もいつもの場所に現れない。どうしたんだ...いつものあなた

  • イタリア公園の夏

    汐留のイタリア公園に行ってみたいと言ったのはわたしの方だった。暑い日が続く八月のある日のことだ。行きたかった理由は、イタリア公園という名前が洒落ていたのと、東京湾に面した浜離宮庭園横のその周辺は今まで行ったことがなかったからである。ネットで調べたらイタリアのある都市から港区に寄贈されたとあった。あちらのデザイナーの手によるイタリア様式の整形庭園で、各所に置かれた石像や壺などもわざわざイタリアから運んできたとのこと。しかしそんな公園を作ることになった由来はよくわからない。JR新橋でゆりかもめに乗り換えて一つめの汐留駅で降りる。首都高沿いに歩いたらすぐに公園に着いてしまうので、一旦JRの線路をくぐり、西からぐるっと円を描くようなデートコースにしょうと、事前に二人で何となく決めていた。コースメニュー全体としては、途中...イタリア公園の夏

  • しれっと戻る。

    自分のようにあれこれ書き散らすブログのジャンルはどれを選んだらよいのだろう。そう。ブログランキングのことである。恋愛詩ブログになっていたが、そのままでは看板に偽りありで苦情が出そうだ。今はもうランキングに興味などないけれどランキングサイトの脱退手続きが面倒なので、ブログジャンルを適当に変えて非表示にした。ブログを再開するにあたり、二年も放置したクセに、しれっと何事もなかったかのように振る舞おうと思った。「ただいま」などという言葉はおこがましくて口に出せない。だいたい二年前だって、ただいまの挨拶と共に戻ったのにも関わらず、すぐにいなくなってしまったのだから、自分で自分が信用できない。多分、ブログという媒体が向いていないのだろう。日記をつける習慣も全くないのに日記機能が基本のブログを、お手軽だからという安易な理由で...しれっと戻る。

  • モーニングコーヒー 月曜日

    細かな雨が降っている。寒くはないけれど、なんとなく足に冷たい空気を感じる。そんな朝。お湯を沸かし、いつものようにコーヒーを淹れる。今飲んでいる森彦のブレンドは近所のスーパーで買ったものだ。自分で豆を挽いてドリップするようになってからはスーパーで売っているコーヒーは買わなくなったのだが、豆のストックが切れそうなタイミングで、いつものコーヒーロースターへ行く時間がなかった。だからそれまでの繋ぎとして、スーパーで偶然見つけた森彦の粉コーヒーを、仕方なく買い求めたところ、意外にも美味しかった。だったらオリジナルの森彦の豆を手に入れてドリップしたらもっと美味しいだろうと思い、ネットで森彦の通販サイトを探してポチっと注文したのだが、期待したほどではなかった。商品価格に送料を加算されることを考えれば、いつものショップで買った...モーニングコーヒー月曜日

  • 便りのないのは・・・

    結局、そういうことなんだと思った。ワインで酔っ払った勢いもあり、急に思いついて「なんでメールくれないの」と、未読放置常習犯(前歴あり)のわたしが自分のことは棚に放り上げ、Aにメールした返信がこれ。「何も起きない、特に人に言うようなエピソードもない日常の繰り返しだから。だからメールも送らない。話すことがないから送れないんや」そして、それから2ヶ月経ち、ふと「コロナで大変やな。そっちはどうなん。元気でやってる?」というメールをくれても、いーんじゃないの?と気がついた。用がなければ連絡しないと言うのなら、気遣いだって立派な用件じゃなかろうか。なーんて、わたしから彼にメールすればいいのに、すっかり忘れていた自分をまた棚に放り上げてみる。大阪住まいのAはわたしにとって恋人なんてものではぜんぜんない。SNSで知り合った人で...便りのないのは・・・

  • ぶつかる女

    仲が良かった会社の同僚で、大西麗子という女性がいたんです。六年・・七年ぐらい前かな。ざっくばらんな感じの飾らない明るい性格で、仕事以外でも一緒にお酒を飲みに行ったり、個人的な悩みの相談に乗ってもらったり。私は独身だったけど彼女は結婚してました。私より二つ上だから当時は二十九歳ぐらい。仕事もできるし美人だったから男性社員にも人気があって。一緒にいると楽しかったんですけど、一つだけちょっとやだなという所があったんです。彼女、見えるんですよ。他の人には見えない変なものが。いえ、見えるだけじゃなくて・・・。ある日、いつも行ってた和食のお店でお昼を食べている時に、彼女が、電車の中でよく人にぶつかると言ったんです。私がそれは麗子さんが不注意なんじゃないのと言ったら、そういうことじゃなくて、ちょっと後ろに下がったら、後ろに立...ぶつかる女

  • “試着室で思い出したら、本気の恋だと思う” ブックレビュー

    大通りから住宅街に入ったとたんに人通りが途絶え急に静かになる。そんな一角にひっそり在る小さなブティック。取り扱う商品はここでしか手に入らない上質なものばかり。落ち着いた雰囲気の背の高い女性店員が、それぞれの事情を抱えたお客さまの相手をする。・前に進まない恋に悩むネイリスト。・子供が成人したらきみと一緒になると不倫相手に言われ続けて、いつしか二十代が終わっていた化粧品会社勤務のOL。・元彼と出来ちゃった婚をする後輩の披露宴で、先輩としてスピーチする羽目になったキャリアガール。などなど。店を訪れた彼女たちの服を、彼女自身には分からなかった視点で選びアドバイスする。似合うのと似合い過ぎるのは違う。似合いすぎるといつもと変わらない。でも本当に何も変わっていないの?人は誰でも歳を取る。体型維持に気を配りアンチエイジングに...“試着室で思い出したら、本気の恋だと思う”ブックレビュー

  • 映画レビュー『ブルージャスミン』

    ー虚栄心の強い者は抜きん出たいと思うよりも、自己が秀でていると思ったがゆえに、自己欺瞞や自己謀略のいかなる手段も嫌うことがないーフリードリヒ・ニーチェ2013年アメリカ映画監督ウディ・アレン出演ケイト・ブランシェットアレック・ボールドウィン他前回の「それでも恋するバルセロナ」に引き続いてウディ・アレン監督作品・・なのだが、題名に惹かれ、更に「聖杯たちの騎士」でファンになったケイト・ブランシェット主演なのでチョイスしたら、たまたま再びアレンさんの作品だっただけ。オープニングでウディ・アレンの名前が表示されるまで彼の作品だとは知らず、あちゃー失敗した別の映画にすれば良かったと後悔した。しかし一時停止ボタンを押して改めて他の人のレビューを読むと好意的な内容のものが多く気を取り直してポーズ解除。うーん。またコメディ。ま...映画レビュー『ブルージャスミン』

  • 塩とオリーブオイル

    別れた恋人が残していったブラックオリーブのオイルとフランス産の岩塩。そんな、なんでもないものが、終わってしまったはずの恋を呼び戻すなんて思ってもみなかった。☆☆☆🥖🥖🥖☆☆☆バゲットは持ってみるとまだほんのり温かかった。美味しそうな香ばしい匂いのおまけ付きだ。いつも仕事帰りに寄る、駅前のパン屋でさっき買ったばかりなのだが、夕方のこんな遅い時間なのにどうして焼きたてのフランスパンがあったのかは謎だ。その小さなブランジェリーは、いつも真面目な顔をしたご主人と、丸い愛嬌のある笑顔の奥さんのご夫婦ふたりで切り盛りしている。ご主人は愛想がないというより、ただの口下手なのだろう。由美香(ゆみか)が好きな四つ葉バターロールは、彼女がお店に寄る時間には売り切れになっていることも多く、今日も売り切れですねとがっかりした声を漏らす...塩とオリーブオイル

  • 彼と彼女のCollaboration Poem “Smile”

    彼からわたしへToyou『ボクはここにいるよ』どうしてそんな顔をするのどうしてそんな悲しい目で見るのきみは何も言わないけれどボクにはきみの痛みが分かるんだだからきみの笑顔が戻るまでボクはきみの隣で微笑んでいようわたしから彼へのAnswer『あなたのそばに』そんな目で見つめないで優しい声で話しかけないであなたに甘えてはいけないわたしにはそんな資格はない今はただあなたのそばにいたいあなたの笑顔だけあればいい彼と彼女のCollaborationPoem“Smile”

  • 腕時計と男と女の関係性

    はめている腕時計とその男が異性に求めるスペックは同じである、という記事を読んだ。ジャガールクルトやパティックフィリップ等の超高級腕時計をしている男なら飛び切りの美女を求めるだろう・・・という意味ではなく、腕時計に対するこだわりの程度と女性へのこだわりの程度が同じという論理らしい。こじゃれた時計をはめて自慢したがる男は、自分の彼女も周囲に自慢できるような女を求める。何本も色々な腕時計を蒐集してとっかえひっかえする男は女の趣味も広い。思入れのある品を大事に長年愛用する男は一途なのだろう。いい夫になるに違いない。もちろんこの説を100パーセント信じているわけじゃないが、面白い分析だと思う。自分の周りを観察してみると、意外に真実の一面を突いているような気がしてくる。これを論説を利用して、女性が意中の男性のタイプあるいは...腕時計と男と女の関係性

  • 映画レビュー『それでも恋するバルセロナ』

    コーヒーが好きだ。ジャズもクラシックも、映画を見るのも好きだ。ただし映画に関しては少し問題がある。何かをやりながら楽しむことができない。ある程度意識を集中して見ないと内容が分からなくなる。洋画より邦画の方が集中力が必要。その理由は邦画は登場人物のセリフを聞き取らなければいけないから。ネイティブで視聴するなら別だが、洋画には字幕があるので、耳の注意力が散漫であったとしてもあまり問題はない。という訳で、わたしは気楽に楽しめる洋画を見る機会が多い。『それでも恋するバルセロナ』2008年アメリカ・スペイン監督ウディ・アレン出演ハビエル・バルデム、レベッカ・ホール、ペネロペ・クルス、スカーレット・ヨハンソンスカーレット・ヨハンソンがセクシーで綺麗。以上。・・・・ふう。これではレビューにならないな。だって見終わった後味がす...映画レビュー『それでも恋するバルセロナ』

  • エビアンの朝

    「頭いてー。ワイン飲みすぎた」手探りで探し当てた目覚まし時計の針は10時を指している。記憶があやふやだったが、とりあえず見慣れた自分の部屋の天井だった。ふう。セーフ。一度だけ、酔った勢いで意気投合したイケメンにお持ち帰りされた前科があるので、たとえベロンベロンに酔っ払ってしまったとしても行動には気をつけないと。ベッドから崩れ落ちるように降り、立ち上がると目が回るので、明るい日差しがこぼれているフローリングを四つん這いでノソノソ這いながら、やっとの思いでキッチンへたどり着く。冷蔵庫の扉を開けミネラルウォーターの瓶を取り出し、スクリューキャップを外してから閉めた冷蔵庫の扉に寄りかかる。「そのエビアン、俺にも貰えますか」「いいよ。やっぱり二日酔いにはキンキンに冷やしたミネラルウォーターがいちばん・・よね・・・・え?」...エビアンの朝

  • 青は空の色どこまでも青く透き通るスカイブルー青は海の色空の青を映し寄せては返すマリンブルー空と海の出逢う処一つになり青に溶けてゆく青

  • きみの青は僕の青

    「でもね。青バラは青くないのよ」矛盾している。青くない青。赤くない赤。青空は青くない。いや違う。青いから青空なんじゃないか。さっぱり意味が分からない。早希(さき)はよくこんな言い方をして僕を惑わせる。そして僕は彼女が待ち構える惑いの海で溺れてしまう。大学の食堂に併設されたカフェスペースで、隣のテーブルでおしゃべりしていた女の子の二人連れが出て行くと、僕と早希の二人だけになった。星野早希。大学構内の小さな花壇で、一輪だけ残ったバラの香りを嗅いでいた彼女を見つけた。それまで自分から誰かに話しかけたことなどなかったというのに、なぜか僕はその背中に、自然に声をかけた。そして振り向いた黒い瞳に呪縛された。あの瞬間、僕の心は早希の瞳の奥に永遠に囚われたのだ。「早希。お願いだからもっと分かりやすく、僕にも理解できるように言っ...きみの青は僕の青

  • 群青に溶ける

    甘やかな官能は群青の空に溶け出し忌まわしき身体を抜け出して美しき青に遊ぶ闇に散りばめた光を見下ろし夢魔の翼を羽ばたかせ群青の彼方へ墜落してゆく群青に溶ける

  • 紅の森

    黄金色(こがねいろ)に透き通る陽光と次第に優しくなってゆくきみの眼差し柔らかな少し冷たい手を引いて紅(くれない)くれないの葉が舞う森を歩くどうしてきみの手はいつも冷たいのかなあなたに温めて欲しいからよ凍える冬が来る前にもっと温めて欲しいあなたの優しさで紅の森

  • 愛され皇帝は気高く美しく、寒がりで意気地なし

    空高く育った太い茎の先に可愛らしいピンク色の花が咲く。花の時期は関東では11月下旬から12月半ば。だから今の時期はまだ咲いていない。その植物の名前は皇帝ダリア。実家の庭の真ん中辺り、ちょうどリビングからよく見える場所に父がこの皇帝ダリアを植えたのは何年前だろうか。まだわたしが学生だった時の、夏の終わり頃だったと思う。ホームセンターの園芸コーナーで、売れ残り品としてディスカウントされていたのを見かけて買ってきたと、なぜか父は嬉しそうな顔をしたのを憶えている。でもわたしは、皇帝なんてご立派な名前が付いている割には小さくイジけていると思った。黒いビニールポットに植えられた苗は高さ10センチほどしかなく、ヒョロッと萎びた感じだ。それを父に言ったら、今はまだ小さな苗だが、3年目には2階の窓の高さぐらいまで成長して綺麗な花...愛され皇帝は気高く美しく、寒がりで意気地なし

  • いつもの朝に、いつものコーヒー

    ーこんどコーヒーをわかしたら,ぼくに一杯ついで,バーボンを入れ,タバコに火を付けて,カップのそばにおいてくれたまえ。それから,すべてを忘れてくれーレイモンド・チャンドラー「長いお別れ」より今日のコーヒーはこの前カルディで買ったツッカーノ・ブルボンという豆。サーバーにドリッパーとペーパーフィルターをセットし、沸騰させたお湯でまずフィルターを湿らせる。一度お湯を捨て、ミルで挽いた豆を入れ少量のお湯を注ぎ15秒ほど蒸らす。うん。いいね。よく膨らむ。中心で小さく円を描くように、何度かに分けて静かにお湯を注ぐ。ここで焦ってはいけない。手間を惜しんで一気にお湯を注ぎ入れたりすると、水っぽいコーヒーになってしまう。香りはそれほど感じないけれど、口に含むとほのかな甘みと軽やかなコク。美味しい。本当は行きつけのショップで買う予定...いつもの朝に、いつものコーヒー

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