ダーティワーク 2.温かい会社
私は10代で家出をした。まだ「この世界」の仕組みを知らず、馬鹿で無知であった。私は親に背いた子供だった。親の自我に完全に取り込まれてしまい、心理的に背くことができない人もいるだろう。私は取り込まれなかった…というより、本当は親を信頼していたから堂々と背けたのである。前世、太平洋戦争で陸軍に所属していた私は(という設定)、南の島で野営をしていた時、野ウサギに遭遇した。私は野ウサギを見て一瞬顔がほころんだが、すぐに仏頂面に戻った。前世の私は男らしく鬼瓦のような風貌をしており、そのキャラを貫き通した人生だった。…もう、うんざりだ。命令と服従、思想の強制、前世の私はそんな「頭カチカチ」の時代に心底うんざりしながら死んだ。(因みに、今世の私は「何かの罰ゲーム」のような女顔に生まれ、小動物を可愛がっていても違和感のない風貌...ダーティワーク2.温かい会社
2018/12/24 00:34