思い込み

思い込み

いつものホームに立ち、家路への電車を待つ。ホームに入ってきた電車に乗り、スマホで読みかけのe-bookに目を通した。ふと、目をあげて窓から見える風景にあっと頭の中で驚きが広がる。この電車は急行だった。いつものホームに臨時の車両、臨時の急行。ホームにも車内にもアナウンスがあったはずなのに、各駅停車の車両が来ると思い込んでいると耳に入る音も何も脳内に入っていかない。意味のある音としては脳は反応しない。ジタバタは出来ない。急行だから、終点まで止まらない。時間は意味あるものとして流れている。この軌道修正で意味ある未来が訪れる。終点に着き、車両から降り下りホームに向かうとそこには思い込み