#11 生きていてくれてありがとう。
天体観測に出かけたり、それぞれの家で鍋を囲んだり、なんとなく波長が 合った私たち4人。 彼とゆきちゃんとカナ、私 。 相変わらず、彼のカナへの態度はぎこちないままだったけど、楽しかった。 4人の共通点は、誰もが心のどこかに傷を抱えている、というところで、 その傷の存在を各自がそこはかとなく感じながら、細い糸でつながっていたのだろう。 その微妙なバランスが崩れた。 彼に連絡がつかなくなった、あの夜。 何度鳴らしても、留守番になる。 胸騒ぎがした。 あのカフェで、手首の傷に示された彼の危うさを知ってから、 水面下では不安を感じていた。 いつか本当に、彼は自ら自分の人生を終わらせてしまうのではないか…
2018/02/23 13:34