2年前の殴り書き

2年前の殴り書き

浮かんできたものを全て書き留めるにはとても筆が追いつかないが、少しでも紙に起こして、形として残しておきたい。逃したものはすぐに頭から消え去ってしまうが、せめて掴めたものを確実にここへ書き残しておこうと思う。これは遺書として扱われるのだろうから上手く書きたいものだが、推敲している時間はない。早くしないと明日が来てしまう。 僕が今から書く手記は、一昔前といくまでもなく、同時代を生きる人達の中の誰かがすでに書いているだろう。陳腐な手記だろう。だが、何かを遺したく、書く。 ひとたび何かに魅せられるとまるで憑かれたように執着するも、一度手に入れてしまえばそれまでが嘘だったかのように輝きを失って見えてしま…