談話室の自動販売機
第一話「深い色の目をした女の子」 18時の閉門を過ぎるとみんな病室に戻る。談話室は24時間空いているが自販機が1台あってその前に6人掛けの机と椅子が1つおいてあるだけでテレビもないから長くいる場所ではない。それでも昼間は老人たちの語り場になっている。しかしそれも18時を過ぎると誰からともなく話を切り上げて各々の病室に戻っていく。 久々に病室を出たので、ついでに談話室にも寄っていこうと思った。 夕暮れのオレンジ色の光が窓から差し込んでリノリウムの冷たい床を暖かく照らしている。中庭から繋がっている長いこの廊下を進んで、突き当りを右に曲がったところにすぐ談話室はある。その談話室の少し奥の病室がぼくの…
2018/11/27 19:29