ふるえてるときに
少し元気だった頃の話をしよう。 何人か新しい友人ができた。ちょっとした悩み事や世の中の理不尽さを安心して話し合えるくらいの気の置けない人たちだ。 定期的に会う機会があるので、私はあまりそのありがたみを意識していなかった。日常の当たり前の出来事が実に大切なものであることに気づかず通り過ぎてしまうことはよくある。 私の元気は彼女らのお陰だった。さりげない会話や共有できる関心事、ときには真剣に語り合うことで、私は日々の辛さをなんとか乗り越えて、はりあいを得ていた。 しかし、私の症状が悪化して家から出られなくなり、ふさぎこむ日々を過ごすようになり、彼女らと会うことは途絶えた。私から「会いに来て」と言っ…
2018/10/22 15:44