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言葉をめぐる旅 plus CRT-D https://www.idagen.net/

2014年に脳梗塞で失語症に罹った時の入院ログや、今の持病、心筋症とペースメーカー(CRT-D)との付き合い方、ライフスタイルを考えるブログ。

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2016/12/30

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  • ペースメーカーCRT-D植込み手術 #5

    前回の続きです。 www.idagen.net 前回の続きです。 昨年4月下旬から5月上旬、CRT-D植込み手術のため、大学病院に入院したことを回想します。 手術(心臓再同期療法機能付き植え込み型除細動器 CRT-D 植え込み術)を受ける数日前に担当医から、かぜ引かないでくださいねと言われました。かぜを引いて体調不良になると、手術が中止になり、リスケジュールということになります。入院期間も長くなり、病院とっても、また、本人にとっても不都合になります。医師としては患者本人に体調管理に気を張らせて、手術をスケジュール通りに進めたいということなのでしょう。 2018年4月下旬、日中は気温も暖かく、入…

  • 内科クリニック通院 2019年10月

    先月の10月25日は、内科クリニックの通院でした。いつもは自転車に乗っていくのですが、気温も低く、朝から雨が降っていて、傘をさして自転車に乗るのも憚られるので、バスでに行くことにしました。丁度良い時間帯のバスが無く、9時に予約した時間より、1時間早くクリニックの近くに到着しました。 利用するバス会社は、乗車時、身体障害者手帳を提示すると割引運賃で精算できます。心機能障害でペースメーカーを植え込だ後、病院で医師に診断書を作成してもらい、地域の自治体の福祉課に申請すると、数カ月後に身体障害者手帳が交付されました。医療の公的な補助を受けるのに、最初は戸惑いもありましたが、自分の健康状態を考えると、国…

  • ペースメーカーCRT-D植込み手術 #4

    前回の続きです。 www.idagen.net 昨年4月下旬から5月上旬、CRT-D植込み手術のため、大学病院に入院したことを回想します。 大学病院に入院して病棟の部屋に入ると、最初に担当の医師や看護師が何人か来て、治療について幾つかの同意事項を説明され、渡された何枚かの書類にサインをしました。 ————— 【※説明・同意書の内容を一部要約しました】 診療の名称: 心臓再同期療法機能付き植え込み型除細動器(CRT-D)植え込み術 (ペースメーカーよりのアッブクレード) 現在の病名、病状: 重症心不全であり、薬物療法のみでは心不全のコントロールが困難。重症不整脈により血行動態の維持が困難な状態を…

  • ペースメーカーCRT-D植込み手術 #3

    前回の続きです。www.idagen.net 昨年4月下旬から5月上旬、CRT-D植込み手術のため、大学病院に入院したことを回想します。 数年前に脳梗塞に罹りリハビリ病院に入院した時のことを思い出すと、セラピスト、PT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚療法士)がどういう風に療法を行うかは、大体分かっていましたが、心臓リハビリに関しても、心不全で市立病院に入院した時に、PTから受けたリハビリと同じだろうと想像していました。 今回の大学病院の入院でも、手術前、手術後、入院が終わるまでは、心臓リハビリが続きました。ペースメーカー装着した後の身体活動、心不全予防や、毎日の生活の中での運…

  • ペースメーカーCRT-D植込み手術 #2

    前回の続きです。 www.idagen.net 昨年4月下旬から5月上旬、CRT-D植込み手術のため、大学病院に入院したことを回想します。 心臓の検査と胸に植え込んであるペースメーカーを取り出し、CRT-D(両室ペーシング機能付き植込み型除細動器)を植え込む手術を受けるために、市立病院から紹介してもらった大学病院に入院しました。手術を受ける前に、心エコー、心筋シンチ、CT、MRI、心臓カテーテル検査、心筋生検、様々な心臓の検査がありました。 カテーテル検査と生検が終わり、CRT-D植え込みの手術までの数日の様子を、当時の日記を見てみると、 「血圧が79と低い言われる。薬の量を調整するとも。午前…

  • ペースメーカーCRT-D植込み手術 #1

    昨年2月に市立病院に心不全で入院した際、肺うっ血で肺や下半身に水が溜まってしまい、利尿剤などの点滴で、ひとまず心不全の状態が良くなった時、担当医から、恒久的にペースメーカーが必要ですと言われました。心臓病を意識し、ペースメーカー植え込みと、頭で理解することはすぐできましたが、気持ちの中でそれを受容するのには、少し時間がかかりました。 心臓カテーテル検査の次に、そのままペースメーカー植え込み手術と、2時間以上かかったと思います。手術した医師から、心臓の右と左では動きにずれがあり、右からの電気刺激が左に伝わりづらいそうです。植え込んだペースメーカーは右からだけだが、右と左、両方に刺激するペースメー…

  • 心臓病とライフスタイル

    ここ数年、自分のライフスタイルが大きく変化してきました。一般に、3大疾病といわれるうちの、脳卒中、心疾患にかかってしまい、病気の回復に多々時間を要しました。5年前の脳梗塞での失語症。昨年の心不全でのペースメーカー、CRT-D(両室ペーシング機能付き植込み型除細動器)植込み、病気との悩みや問題は生活する上での重しでもあります。解決の術は誰がどう教えてくれるでは無く、自分自身で見つけるしか方法がありません。 今の体調と生活の維持、仕事はどうするればいいのか。暮らしをバランス良く保っていくには、病気を自覚して、体調を最優先する生活を日々実践していくのが良いと思っています。規則正しい生活リズム、減塩と…

  • 大宮 氷川神社 月参り 10月

    大宮 氷川神社 楼門 暑さが過ぎ去り、涼秋を感じられる季節となってきました。一昨日は大宮の氷川神社に、月参りに行きました。平日なので参道はいつもよりも閑散として、境内の中は参拝者もまばらでした。楼門には、天皇陛下御即位と貼り出されています。来月は奉納菊花展が開催され、天皇陛下御即位を奉祝し、16枚花弁の菊花が奉納展示されるようです。 参拝を終えると、大宮駅近くの高島屋に入っている、ジュンク堂書店に行きました。関連の棚に行き、目的の本を探したのですが、どうにもその本が見つかりません。レジの近くの書籍検索機で書名を探してみると、その書籍の在庫は0と表示されています。ネットで買うかと諦めます。もう一…

  • 内科クリニック通院 2019年9月

    先週の水曜日は、内科クリニックの通院日でした。朝、9時半の予約でしたが、待合いは診察待ちの人達でいっぱいで、ベンチも腰掛ける場所はほとんどありません。一人分スペースが空いていたので座ることができました。体温計を渡されたので検温し、別室で血圧と体重を計られました。病院で血圧を計ると、家で計測した数値よりは、数値が上がるようです。 このクリニックは、先生一人体制で診療し、受付、事務が二人、看護師が三人とスタッフがいます。多くの患者の対応に、キビキビと動いています。近くの市立病院と連携がとれているのか、専門的な検査に関しては市立病院に行かなくても、このクリニックで市立病院での検査予約ができるようです…

  • 大宮 氷川神社 月参り

    大宮 氷川神社 参道 この間の日曜日は、午前中に大宮の氷川神社に行ってきました。家から電車と徒歩で1時間程です。数カ月前から、月に一度参拝しています。休日というこで、朝9時過ぎから、お祝いの行事やご祈祷など、家族連れの参拝者、赤ちゃんのお宮参り、結婚式なのか、礼服姿で拝殿の前に集う人たち、多くの参拝者が神社に訪れていました。 9月になってもまだまだ残暑は続き、本殿へと長い参道を歩いていると、額や首が汗ばんできて、ハンカチで汗を拭って歩いていると、ランナーが参道を走っているのに気づきました。また1人と、走り去って行きます。サングラスをかけ、キロ5分程度のスピードで走っている人、膝の周りをテーピン…

  • 月イチの内科クリニック通い

    3カ月ほど前、病気の症状が落ち着いたためか、それまで通院していた市立病院の循環器内科の先生から、「1年ほど診させていただいたが、次回からは紹介する内科クリニックに通ってください。これからは半年に1回、(市立病院で)検診します」と言われた。緊急性がなければ市立病院には来なくても良いという事だろう。(半年後の)12月に検診の予約を入れた。 先週の金曜日はクリニックの外来日であった。ふだんは月に一度、市立病院の担当医から紹介された内科クリニック(循環器内科では無いが)に通っている。初回は、血液検査やレントゲン等、医師の検診もあり、それなりに時間がかかった。2回目からは、血圧、体重、医師の問診で外来が…

  • 心臓カテーテル検査 #3

    前回のブログ投稿の続きです。www.idagen.net 去年、2018年4月、心臓カテーテル検査、心筋生検、CRT-D(両室ペーシング機能付き植込み型除細動器)にアップグレードするため、大学病院に入院しました。 市立病院で心臓カテーテル検査を受けた時は、膀胱留置カテーテルの挿入はありませんでしたが、大学病院の手順では、心臓カテーテル検査と、心筋生検の受ける前に、病室で、膀胱までカテーテルを入れられました。痛さは無いのですが、下半身に違和感があり、とても苦痛でした。 車椅子で心臓カテーテル室に行き、診療台に寝かされました。前回検査を受けた市立病院の心臓カテーテル室では、洋楽ポップスが、バックグ…

  • 心臓カテーテル検査 #2

    前回のブログ投稿の続きです。 www.idagen.net 2回目の心臓カテーテル検査は、去年、ペースメーカーをアップグレードするため、大学病院に入院した時でした。市立病院の担当医から、大学等の研究機関に行かないと、病気について精査できないという事で、紹介された病院でした。 病院は広く、設備も整っていました。病棟も掃除が行き届き清潔だったのですが、建物自体が古く、病院内にいると、まるで昭和にタイムスリップしたかのようでした。 入院中は、CRT-D(両室ペーシング機能付き埋込型除細動器)を植込む前に、MRI、CT、心エコー、心筋シンチ、心臓カテーテル、心筋生検、多数の心臓の検査がありました。新規…

  • 心臓カテーテル検査 #1

    心臓カテーテル検査は、去年2回受けました。 局所麻酔をし、血管に細いチューブを通し、心臓の近くまで届かせ、そこから造影剤を注入して、撮影。心臓の状態や血管等を観察する検査です。 1回目は、心不全で入院時、カテーテル室で、右の手首と脚のつけねからチューブを入れられました。カテーテル検査が終った直後、ペースメーカーの植込み手術も行われました。 カテーテル室からストレッチャーに乗せられ、病室へ。 自分の様子を見ると、ペースメーカーを植込んだので、左上半身は胸帯で固定。右手首にはリストバンドが装着され、切開したところを圧迫止血されています。傷口は透明なアクリルのような部分から、その様子を見る事ができま…

  • 不整脈

    脳梗塞で入院した時、失語症以外、心臓にも病気があるのではと、心臓カテーテル検査までは行いませんでしたが、心エコーや心臓CTの検査を受けました。不整脈(房室ブロック)はあるが、今のところは大丈夫。ただ、今後心臓の状態が悪くなれば、将来的にペースメーカーを入れなくてはいけないこともあるでしょう。という事でした。 退院してからも、心臓に関しての薬はなく、脳梗塞予防の、抗血小板薬とコレステロールを低下させる薬だけでした。内科に通院して、心拍数40台、不整脈もありましたが、血液検査の検査は、別段、健康状態は概ねいいであろうと、ほとんど心臓に対する注意はありませんでした。 心不全になる前の数年間は、医師か…

  • 失語症を振り返る

    脳梗塞により、失語症になって、5年経ちました。脳梗塞の再発は今のところはありません。言葉もある程度は良くなり、人と会話するのに困らなくなりました。リハビリ病院に入院していたことも遠い昔に思えるようになりました。ただ、いざスピーチするとなると、何らかの訓練が必要だなと感じています。今は会社も辞め自宅にいるので、人前でスピーチする機会はほとんどありません。今後、もしそんな場面があったら、その時はその時で、覚悟を決めるしかないと思います。 「失語症という病気で話をすることができない」 2014年9月、脳梗塞になって市立病院に入院した時、言葉に関する専門のセラピストがいる病院を紹介されました。1カ月後…

  • 体重

    去年前半は本当に体調が悪く、2回、病院に入院した。1回目は2月から1カ月程、心不全の治療とペースメーカー植込みで市立病院に入院。2回目は4月から1カ月程、心臓カテーテル検査、心筋生検、CRT-Dにアップグレードするため大学病院に入院。退院してから、6月頃位までは、血圧も100を切っていることが多く、1日中起きてるのがつらかった。食欲や体力も無く、20分位散歩に行くが、10分位歩いていると、次第に疲れが溜まってきて、途中、立ち止まって休憩を入れる。朝6時に起きて、昼過ぎに1~2時間昼寝、夜は21時には就寝していた。 心不全に状態なると、心臓の動きが悪くなり、体の中の水分を外に出せなくなる。 入院…

  • 循環器内科外来

    昨日は、午前中予約していた市立病院の外来に行ってきた。朝、診療が始まる時刻の30分に受付に行くと、係の人が、受付番号「67」のカードを渡してくれた。もうすでに70人近くも患者が診察を待っている。 検査、診察、会計、薬の受け取り、いつのも如くまた昼過ぎまでかかるのかと、半ば諦め顔でスマホの画面に視線を落とす。 血液検査とレントゲンが終わり、診察室の待合に向かった。予約していない新規の患者も多いので、仕方ないとは思うが、いつものパターンで、予約時間を過ぎてから、呼ばれるだろうと、長い待ち時間を予想する。 スマホ用のKindleのアプリで本を読みたいところだが、循環器内科の診察室の前には、私のように…

  • 風呂上がりに

    風呂上がりに自分の姿を洗面台の鏡に映す時、自分の顔より、まず左胸の切開した傷跡と皮膚の下にあるペースメーカーのふくらみの部位をじっと見つめる。 異常が無いかどうか、チェックするためなのだが、そこの部位を見るたびに「でかいな」と思ってしまう。 一回目に植え込んだペースメーカーは、その部位も、見た目、さほど目立ちはしなく、例えばもし銭湯や温泉に行った時でも、裸になっても気にはならないだろうと思っていた。しかし、二回目に植え込んでいるペースメーカー(CRT-D)は、初回に植え込んだペースメーカーよりデバイスサイズが大きい。皮膚の下のペースメーカーが、くっきりと浮き出たように、その部分を形どっている。…

  • ブログ再開 「はてなブログ」へ引っ越しました

    ブログ運営サーバーを「はてなブログ」のサーバーへ引っ越しました。久々のブログ投稿です。 2年程前、2017年3月11日までは毎日のようにブログを書いていましたが、再就職先が決まり、会社で日々忙しくなって、ブログを書く余裕が無くなってしまいました。最近、勤めていた会社の契約期間が満了となり、今は無職となりました。この先どうなるかわかりませんが、暫らくは体調に気を使いながら、家で過ごす予定です。中断したこのブログ投稿を再開し、過去の事、これからの日々の暮らしを書き綴って行こうと思っています。 2014年、リハビリ病院で入院中、失語症という状況に置かれた自分自身、言葉を使えない苦しさにほとほと困窮し…

  • 病棟の廊下の窓、その場所。 [入院 #34]

    病室を出ると、病棟の長い廊下の先にエレベーターホールがあり、その窓から下を見ると中庭が見える。ベンチ等はなく、そこでくつろぐ患者や、また、行き交う人も少ないようだ。どちらかというと寂れている場所という印象を受ける。エレベーターに乗って、病棟の最上階に行き、その階の廊下の窓から外を見ると、日によって、天気がいい時は、街の遠くに山々が見える。普段の生活から離れ、何ヶ月かリハビリ病院で治療を受けると、いつの間にか、仕事や人間関係のストレスが薄らいでいく。目の前にある窓の風景も病気である心をリフレッシュしてくれるようだ。その窓の場所には、患者たちが多く立ち止まる。病院での癒やしのポイントでもあるようだ…

  • 会話 [入院 #33]

    年が開けて、病院で暮らす日々、病院のリハビリがもう当たり前の日常となっていた。入院生活が快適とは云い難いが、外の寒さも忘れるほど、院内では空調が効いている。一見、社会と離れたこの病院の空間を、空調は常春のような、暖かく、落ち着いた雰囲気で包んでいるようだった。言語療法室で、リハビリを受けている時、療法士から言葉の調子が良くなったのではと声を掛けられた。確かに、言葉を考える時、リハビリ入院初期の頃よりも、頭に負荷がかからなくなってきたように感じている。言葉を話すことも、発言に引っ掛かりはあるが、病院内の人に、ある程度伝わるようになってきたなと思う。脳梗塞を発病した初期は、携帯でメールを打つのにも…

  • 日々是リハビリ [入院 #32]

    主治医が、今後の治療について面談したいという。その方針の話を聞くと、本人のためにも入院を持続させてリハビリ治療を続けた方がよいと進められた。失語症は回復するのかと聞きたい気持ちがあったが、それはいわゆるリハビリの効果次第という、病院の立場を頭ではわかっていた。しかし、退院はまだであるという意識が、なんとも心を揺らしていた。入院してリハビリ治療を継続させれば、回復の兆しが少しでもあるような気がして、病院に見放されるわけではないと思い直した。春まで入院し、とらえどころない言葉のリハビリで、頭脳を鍛錬するしかないようだ。会社の同僚が何人か面会に来た。入院のことについて状況を会社に報告するようだ。脳梗…

  • 正月 [入院 #31]

    大晦日をまたぎ、2015年元旦、病棟のデイルームの卓上で朝食を食べていた。元旦もリハビリを行い、病院で過ごすのかと思ったが、主治医から、2日の夜まで外泊許可がでた。家族が迎えに来た後、家に戻る予定だ。療法士から出るリハビリの課題が、その患者にとってリハビリに適正な量なのか、その多さは感じるが、リハビリの為と思って、それをこなすことが自分にとって最良の選択だ、との思いを馳せる。特に言葉の訓練は、頭の中の言葉を使う時がリハビリそのもので、リハビリの課題以外も、頭に負荷が掛かってくる。気を抜いて休憩を入れるにも、何かを考えると、正しい言葉を使わねばと意識が働く。言葉のリハビリの課題、普段思う、回復の…

  • 要約 [入院 #30]

    作業療法の時間で、こんなリハビリがあった。新聞の記事を読み、何が書いてあったのか、その内容を療法士に伝えるリハビリだ。だいたい1000字程度の記事を読み、その内容を覚えている限り、療法士に伝える。記憶の中の記事の内容が、幾つものポイントを頭の中で整理できず、時間か経つと、うろ覚えの記事内容が、どこかに行ってしまう。私自身の失語症は、発言することに困難さもあり、それも症状の一つだ。新聞の記事内容を人に伝えるリハビリは、思うように発言できない苦しさが伴う。記憶の中の記事内容を修飾することなく、そのまま記事の要旨をまとめ上げ、それを口頭で伝達するのは、難儀なことであった。新聞記事の内容を要約し、文章…

  • 課題 [入院 #29]

    リハビリ病院に入院してからの一日の流れは、こんな感じだ。起床6時。朝食が始まる時間までに、毎朝、7時前に病院の周辺を散歩し、病室で7時からのラジオのニュースを聴き、話の内容をノートにメモを取る。朝食は7時半。午前中のリハビリが終わると12時から昼食。午後のリハビリ。時間割が空いた時は、言語聴覚療法、作業療法、運動療法(理学療法)からでる課題を病室で行う。夕食は18時。病室でリハビリの課題や宿題を行い、就寝は21時。病室は消灯されるので、リハビリの課題が残っていれば、ベッドの脇のライトをつけて、それに取り組む。入院というと退屈な時間が過ぎていくイメージではあるが、リハビリ治療は割となすべき課題が…

  • ラジオ [入院 #28]

    会議やミーティングなどでノートにメモを取ること。仕事をする上で全く意識せずできたことも、脳梗塞を発症した後は、そのメモを取るという行為が非常に難しくなっていた。失語症という病気は、人が言う話を聞き取りにくくしてしまう症状がでるようだ。言語聴覚療法の中で、療法士があるテキスト(新聞のコラムであろうか...)を口頭で読み上げ、その内容をノートに書き込むリハビリが行われた。話の内容の理解が、頭の中で時間がかかり、それをメモする事が非常に難しい。漢字を思い出せなかったり、ひらがな、カタカナがぱっと頭に浮かばない。文字だけではなく、数字も聞き取りにくい。年代、日付、時分、金額の数字。頭の中で瞬時に記憶で…

  • 喋ること [入院 #27]

    2014年、脳梗塞を発症し失語症に陥った。リハビリ病院に入院してその年、もうクリスマスに差し掛かろうとしていた。師走という月は、普段なら予定が立て込み、矢継ぎ早に仕事をこなしていかねばならない時期である。病気で入院という状況で、リハビリに打ち込まなければ仕事に復帰できない危機感と、自分の病気の状態をチェックしたときの失望感が入り混じる。ナースステーションの前の飾ってあるクリスマスツリーを眺めると、ふと家族の団欒がオーバーラップしてきた。デイルームで食事をするテーブルの席も、自分が入院した頃と比べると、そこには同席する患者は退院して、新しく来た患者と入れ替わっていた。退院した患者の中には、私と同…

  • 言葉そのもの [入院 #26]

    失語症を発症して、かなの五十音をそらで言えなくなった。毎日病室で、五十音表を見て文字を読み上げる。同室の患者に迷惑にならないよう小さい声を出す。私の頭の中の入っている文字の記憶は何処へいったのだろう。すべて忘れているわけではないが、記憶の中のかな文字を取り出すことができない。五十音を暗唱すること自体、幼年時、それを行ったかどうか全く記憶にない。日常使っている言葉を意識せず使っていたこと、つまり当たり前の言葉の記憶を引き出せないのだ。五十音を暗唱するという、まるで母国語が母国語でないような感覚にみまわれるが、それでも一から覚え直す事がリハビリとして必要であった。言語聴覚療法で、単語内の文字の並び…

  • 散歩道 [入院 #25]

    担当医から、病院周辺の道を散歩していいと許可が出た。正し、散歩のコースは何通りかあって、そのコースの道を外れてはいけない。久しぶりに病院の外に出ると、決まった散歩道ではあるが、病院内の閉塞感から、少しながら開放された気持ちになった。病院周辺の散歩道のコースには、そのコース内にコンビニは無く、入院生活に必要な物は、 相変わらず病院内の売店で購入するしかない。病院の近くにあるコンビニに行くことによって、品物を選べない不便さが解消できるかと思ったが、それは全くの期待外れであり、その場所に行くことはできないのだ。道をそれて近くのコンビニに行けばいいじゃないか、と思うのだが、ルールを破るまでもなく、退院…

  • 制限 [入院 #24]

    入院当初は、自分の病室がある病棟の階のフロア、病室、デイルーム以外、他の場所に立ち入っては行けないルールに縛られていた。リハビリの時間も担当の療法士が病室に迎えに来て、療法室まで連れていかれ、リハビリが終わると、療法士に病室まで送ってくれる。数日後、病院内は自由に行き来してもいいと担当医から許可が出た。療法室も自分で行けるようになった。ようやく一階の売店に行けるようになり、新聞を買って言葉の回復に役立てようと思った。ところが、この病院内の売店には新聞を販売していないのだ。 とりあえずは、普段は読まない週刊誌を買うことにした。 転院前の病院では売店で新聞を入手することができたのだが、この病院では…

  • リハビリ治療 [入院 #23]

    リハビリ病院に入院してから1ヵ月ほど経った。日々のスケジュールに沿って、失語症中心のリハビリ治療を受けている。病院で、毎日規則正しい生活をするのは、脳梗塞になる前の不規則な生活を是正されるようで、改めて生活そのものを健康とともに考えさせる。脳血管疾患による脳梗塞、血圧が高いことも病気の一因のようだ。病院での食事は、なにぶん塩分が控え目である。病前の普段の食事とは違う、味気ない食事であるが、慣れると苦でも無くなってきた。食生活によって体質を変えるのも、健康上、このうえないことである。規則正しい生活は、普段の生活から欠けていたリズムを取り戻すようで、一考される余地がある。言葉の回復は、なかなか思っ…

  • 言語聴覚療法 [入院 #22]

    言葉自体が自分から発せられない症状、失語症は様々なケースがあり、私の場合はどう病状を説明すればいいのか、一概に医師でなければ病状の分類はできないように思う。言葉の回復はどうか。学校のように決まったカリキュラムがあり、その成果は、科目をどのくらいの量を勉強すれば先が見えるような、成果目標を立てることができると思う。だた脳梗塞という病気のリハビリは、何をどれくらいの量をこなせばいいのか、その回復の兆しが見えないような気がして、漠然とした病気のプレッシャーを感じせざるを得ない。私の場合、言葉そのものだ。みんなが使っている言葉を表現したい望み、今は無理だが、是非とも言葉を回復したいと、リハビリすること…

  • 失語症 [入院 #21]

    言語聴覚療法室は個室が複数あるようだ。個室の中で1対1でリハビリをするという。言語聴覚士に案内され言語聴覚療法室に入った。机の向こう側に療法士が座り、療法士と相対して私も椅子に座る。転院前の総合病院では、私の病名は脳梗塞であるとそう診断を受けた。脳梗塞には頭がダメージを受けた場所に応じて特定の症状があるようだ。私自身の場合は、言葉の不具合と体の右半身に少しの痺れが症状として出ている。入院中は、言葉のリハビリの中心の言語聴覚療法が施される。また、作業療法、理学療法と合わせてのリハビリを受けるようだ。言語聴覚士に、この症状は「失語症です」と言われ、言葉の不具合の症状の病名をはっきりと知ることができ…

  • 言葉を交わせれば [入院 #20]

    妻にリハビリ病院に送ってもらい、10時頃到着した。入院手続きが終わると、病室に案内された。看護師から入院時のルールや病院の施設、その他の規定や注意事項の案内を受けた。午前中は医師の診察の後、CTやその他の検診が続いた。検診中、担当になる理学療法士が診察室に来て挨拶を交わした。病室に戻る前に理学療法室でリハビリを行うようだ。 理学療法室では、足がついたマットが複数あり、そこに腰掛け、体の状態等を右半身が少し痺れいる旨を理学療法士に話をした。マットの上でマッサージを受けていると、看護師が脳梗塞にかかわるチェック項目なのか、いくつか質問をうけた。「これからいう項目を後で言ってください。」「思いつく野…

  • 滑舌 [入院 #19]

    「どうもお世話になりました」と、退院していく人に挨拶される。1ヵ月近く入院していると、何人かにそう挨拶を受け、その人を見送ってきた。私の病室は4人部屋なのであるが、何日かで退院していく人が多く、入れ替わり患者がその病室に入院していく。転院の日が近づき、同室の人に挨拶せねばと「どうもお世話になりました」という台詞の練習をしている。脳梗塞によって滑舌が悪くなり、口頭で話すには相手側に聞きずらいという場合が出てしまう。短いフレーズでも伝えずらい。短い単語は言えるのであるが、長い単語や、文を言う時、たとえるなら言葉が絡まって正確に言えないのである。「どうもお世話になりました」と言う時は、文を短く区切っ…

  • 100 - 7 [入院 #18]

    入院してから約1ヶ月、リハビリ病院に転院の日が近づいてきた。脳梗塞になってから、新聞をテキストにして朗読したり、記事を書き写したりしてきたが、言葉の回復は遅々として進まない。自分の意見をいうことも脳梗塞のせいで差しさわりがあるし、文章を書くことも、短文のメールを書くことですら非常に苦労する。仮に退院できて今の状態でどうか。仕事の上で社内、社外の人と話をする事や資料やレポートを書いたり会議に出て発言したりすることは到底無理がある。 今まで積み重ねてきた経験、仕事も言葉が不具合になることによって生じる事象が、この先どうなっていくのか不安で、将来的なこれからの展望も見えない。自分が話をすることができ…

  • 集中力 [入院 #17]

    リハビリ専門病院に転院してから、実際にどんなリハビリを行うのかは、その時になってみないとわからない。今はただ、言葉が治るのなら、思いつくことは何でも試してみようと思う。私自身の脳梗塞の病状からいうと病前と変わらずに、新聞を読み取る事や朗読がしづらくなっている。書写はどうか。新聞のコラムをノートに写し書きすると、その速度が新聞の読み取り、朗読同様、その作業が遅い。文章を見て、記憶して、その通りノートに書く作業なのだが、記憶できる量が狭まっている。短い文でも記憶しながら書く作業も滞り、場合によっては一つの単語を見て、書いてのパターンもある。言葉を頭の中で考える事、集中力が湧いてこない。脳梗塞になる…

  • 新聞を開くと [入院 #16]

    朝食が終わり、処方された錠剤を服薬したら、病院の売店で新聞を買いに行く事が毎朝の習慣になっている。担当の内科医からは、こう聞かれる。新聞に書いていることが読み取れるか。ラジオを聞いて言ってることがわかるか。私自身読んだり、言っていることを理解しているつもりであるが、脳梗塞という病気がその能力を阻害しているようで、どこに引っかかりがあるのか、自分の頭の中を測ることは難しい。とにかくは新聞を読んで、どこまで文章を読み解くことができるのか、病室で新聞を毎日購読することにした。新聞を読むにあたって、気付いた点が幾つかある。読むスピードが普段より遅いのだ。文字を目で追う速度で文章を理解しながら読み進むこ…

  • 言葉はよくなるのか [入院 #15]

    担当医が言うには、心臓CT検査の結果は、特に異常は無かった。ただ今後、心臓に対してのチェックを心に留め置いてほしいと、事あらば検診することを示唆した。もし万が一心臓に異常が起こったら、ペースメーカー埋め込まなければならないリスクがあるらしい。検査結果の内容を聞くかぎり、今のところは心臓に対して特別な薬の処方はなく、普通に生活できるそうだ。脳梗塞という病気以外は体の方は大丈夫であると内心、安堵した。リハビリ病院の転院に関しても問題なさそうだ。今、入院している病院で受けているリハビリ科の言葉のリハビリは、専門家による療法ではなく、リハビリ病院に行く前の暫定的な措置である。担当の療法士もリハビリ病院…

  • 話しかけたいが... [入院 #14]

    心臓CTの検査が終わり、妻と子どもが病室に来た。病室は大部屋なので、内科病棟のナースステーションの前のフロアで面会することになった。子どもが定期試験のことや部活のことなど、学校の様子を話しかけてきた。子どもの話を聞き、それに対して子どもに話しかけたい。子どもは脳梗塞が原因で私がよく喋れないことを知っている。家族と会話がしたいという思いは、病気が快方になる時が来れば、それを叶えてくれるのか。何時なったらその時はやってくるのか。それは誰に解答を得ればいいのだろうかと自問する。病院に病気のことを自分自身で聞けばいいと思う。自分で質問内容を言葉で論理的に思考するが、脳梗塞で失われた言葉を見いだせず、そ…

  • 検査 Part 2 [入院 #13]

    看護師が、心臓CT検査の日程が書いてあるスケジュール表を、病室のベッド側の壁に貼って行った。その表を見るたび、検査で異常なければいいと、半ば祈るような心境になった。検査当日、その時間になると車椅子に座らせられて、検査室まで、看護師に連れて行かれた。入院時にCTを受けた検査室とは違う場所だ。その検査室は結構広さがあり、検査にあたる人も、医師なのか、技師なのか、3、4人いたような気がする。担当の人から検査の注意事項を伝えられた。撮影する前、造影剤を注入した直後、体の中が少し熱くなるらしい。検査台に両腕を上げて仰向けの姿勢で寝る。両腕は動かさないように固定された。検査台の横には、液体(造影剤だと思う…

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