随筆 「新川和江さんを偲んで」
髙安ミツ子身内や友との別れが多くなり、日常の中でもふと寂しさで心がいっぱいになってしまうことがあります。そんな時は、亡き人のことを思い出して私の心で語ってあげようと思うことにしました。共有していた思い出時間が懐かしく蘇り、来客を迎えているような思いににもなります。見送る側のこみあげてくる気持ちは呟きなり、やがて徐々に日常に溶け込んでいき、私が終わるときは消えていくことになりましょう。はかないと思えばはかないのですが記憶は私を照らす標識のように続いているのです。詩人の新川和江さんがご逝去されました。追悼の気持ちをこめて私の思い出の一つを記したいと思います。確か私が二四歳昭和43年か昭和44年)の頃だったと思います。当時土橋冶重氏が主宰していた同人誌「風」の主催「夏の詩のカレッジ」が都内で開催されました。詩人...随筆「新川和江さんを偲んで」
2025/01/20 16:14