記憶を蓄積する動物と、今を生きる動物

記憶を蓄積する動物と、今を生きる動物

千歳市にいる。空っぽの心はよく響き、その心の空洞に重たい毛布のような不安をいれるとその大きな音にミュートがかかる。ふとしたときにはいつも、僕たちは大なり小なり悩みを抱えている。常に不安を抱えているのは、心が強く響きすぎるのを恐れているから、なのかもしれない。繁忙期のようなものが過ぎて、川下りの途中に落雷があったらどうしようという不安は今年も杞憂に終わろうとしている。カヌーがひっくり返ったらどうしようとか、増水してたらどうしようとか、お客さんが全然楽しめなかったらどうしようとか、このまま天涯孤独だったらどうしようとか、気がつけばそんな不安を常に抱えている気がする。情報があふれる世の中は、不安を取り除く方法をありとあらゆる媒体を通して教えてくれるが、僕はこの不安を誰かに譲るつもりはない。「不安の9割は杞憂に終...記憶を蓄積する動物と、今を生きる動物