十一日目 宮城-愛知
僕がまず驚いたことはまだこんなにも復興が進んでいないのかということだった。ガードレールは破壊されてひしゃげたままにされており、道路は土嚢と砂で造られたものがあった。トラックはあちらこちらでせわしく作業をしていて、家が半分倒壊した状態で放置されているのが一番悲しみを感じさせた。僕は何もできない無力感に襲われながらこんなところで旅をしていていいのかという気持ちになった。彼らにしてあげられることは何もないんじゃないか。僕はこのままここにいていいのだろうか。そんな思いが一気に押しよせてきて渦のように僕の頭を巡り続けた。答えが欲しかったが誰に聞こうにも誰も答えてはくれないし、あらゆる人は自分たちのことで…
2016/03/23 16:14