追悼・剛しいら先生

追悼・剛しいら先生

剛しいら先生が亡くなってもうすぐ5ヶ月が経つ。今更の追悼ではある。先生が亡くなってから家にある著書を読み返していた。帰宅、座布団、花扇、やるっ!シリーズ。ドクボクシリーズ、匣男、シンデレラを嗤え、仇なれども、青と白の情熱…。今年の7月29日は隅田川花火大会だった。『華火咲いた!』を読んで過ごした。寂しくて悲しくて仕方がないのだが、本を読んでいるといつの間にか引き込まれて笑っている。先生の死の悲しみを生前の先生に癒してもらっているような、不思議な気持ちになる。先生の本は優しかった。人間への信頼と、希望のようなものがあったと思う。先生が作るドラマはいつだって人間の意志によるものだった。悲惨な境遇の登場人物もたくさんいたけれど、境遇そのものがドラマを作ったのではなかった。いつでも人々の誠実な言葉と行動がドラマを作って...追悼・剛しいら先生