書評「近畿地方のある場所について」
まず、先に行っておくと、このタイトルはずるいと思う。作中にも言及があるのだが、謎めいたタイトル、実際ある地域での伏せ字、幽霊に伝説、宗教とてんこ盛りではないか、これでは好奇心が揺さぶられるのも仕方がないのではないか。 これはいわゆるホラーなのだが、数々の資料を断片的に見せていく手法であり、提示されたルポやインターネットの書き込みの画面、行方不明のポスターなど、ひょっとしたら、現実にあったことなのかもと思わせるのが、次々にページを捲らせる要因となっているので、実際引き込まれる事と思う。 私も述べ2日ほどで読破したが、導入部分の方が「わからないものに対する恐怖」みたいなものがあり、おもしろかったが…
2023/10/20 20:08