無罪で正義は実現できるか?
オウムによる東京都庁小包爆弾事件で、殺人未遂の共犯に問われた菊池直子被告に、東京高裁は逆転無罪の判決を言い渡しました。共犯の立証にほぼ唯一の証拠ともいうべき井上証言を「不自然に具体的かつ詳細」と決めつけて信用性を否定しての判決ですが、私見では非常に理解に苦しみます。ちなみに、前田検事の証拠偽造事件以来検察への信頼は失墜して、有罪率が100%近く「検察裁判」と言われた検察神話も崩壊し、以後無罪や再審が連発しています。状況証拠は揃っていても、確かな客観的証拠がなかったり証拠に多少の矛盾があったりするだけで、裁判所が、「疑わしきは罰せず」の推定無罪の原則を形式的かつ安易に当てはめて無罪にしてしまうケースが非常に目立ちます。ただ、「無実」と「無罪」は全く違い、全ての犯罪に確かな客観的証拠があるわけでもなければ、すべての...無罪で正義は実現できるか?
2015/11/30 12:17