日本の建築 隈研吾 2023
建築の素人にとっては、縦書きの文章と白黒の挿入写真からなるこの新書本を読んで、リアルの建築物の形態やそれがつくる空間を思い浮かべ、著者の言葉を実感を伴って理解することは難しいと思った。この本には、多くの日本人建築家、日本に影響を与え日本から影響を受けた海外の建築家が(ライト、ブルーノ・タウトら)が登場する。「モダニズム建築という新様式は、日本と工業的脱色が遭遇したところから誕生した」(p51)、「印象派が日本の浮世絵に触発されて~絵画の世界に大きな革命を起こしたのと同じような大きな渦が、日本とライトとの邂逅を菊花にして回転をはじめ、世界を大きく動かし始めた」(p43)とまで書かれている。一番わかりやすかったことは、最終章で述べられている著者自身の遍歴。1986年のバブルに沸き立つ東京で自分の設計事務所を開...日本の建築隈研吾2023
2024/04/21 23:17