田を打つ繰り返しの二句
田を打つ繰り返しの二句 生きかはり死にかはりして打つ田かな 村上鬼城 人類が現れてから数十万年と言っても、地球誕生以来の時間と比べれば僅かなものでしかない。ましてや人ひとりの命の時間など語るにたりない。悠久の大地につぎつぎと人は生まれ死んでゆく。それをひとりの命で捉えれば儚いが、生命のリレーという大いなる輪の中においては、永劫に引き継がれ耕されつづけるものがある。遅く、否かで農業を営む方々には、この句のような感慨はいつも胸中を行き来しているに違いない。 気の遠くなるまで生きて耕して 永田耕一郎 私は農業に従事したことはないので全く分からないが、田んぼを耕すのは重労働であっただろう。いまでこそ、耕耘機などがある瓦、その昔は牛や馬を使って耕さねばならなかった。それは、先祖代々受け継ぐべき作業であった。働き続けなければならなかったのだ。そして、自然との闘いでも..
2021/04/30 03:27