以前書いた記事に引き続き、Twitter上でいただいた質問へのお応えです。 そこでいただいた質問は、「先生に、次の見解について論評していただきたいです。 「法の意味は具体的事実を前にしてしか厳密には明らかとはならない。 ゆえに、法的三段論法も、大前提が事実の提示であり、小前提が規範 の提示である。第三が、当該事実についての規範の意味確定である。」」とのものでした。 法的三段論法の一般的な意味からいえ…
僕は今こうしてブログを書いているが、本業は弁護士である。 司法試験に合格した後、修習や、若手弁護士としての実務を数年やっている。 その経験から受験生の皆さんに言いたいのが、「司法試験のための勉強は無駄である」ということである。 どういうことか? 例えば、平成26年度の民法の問1を例に考えてみよう。 事案としては、建物を借りた人が、借りた建物が契約で予定されていた免震構造を備えていなかったこと…
法律を学ぶ大学新入生にとって、最も必要なことは、「勉強」ではない。
三つ子の魂百まで、ということわざがある。 法律の学習でも、このことわざは当てはまる。法律の勉強を始めるとき、一番最初に、どんな勉強をするかで、その後の実力の伸びが変わってくると言っても過言ではない。 今回は、主に法学部の1年生を想定して、法律の勉強の最初に何をすべきか、ということを考えてみたい。 ところで、皆さんは、中学生の頃試験前に必死になって丸暗記した、数学の公式や歴史の年号を覚えてい…
受験生というのは、試験会場では最も孤独な存在である。 何しろ、周りと相談することは一切禁じられているし、問題が解けなくて悩んでいても、誰もアドバイスをしてくれない。なにか間違ったことをしていても、注意してくれる人は誰もいない。 だから受験生は、最終的には、自分一人で考え、決断して、書かなければならない。 そこには怖さが常に付きまとう。 僕もそうだった。自慢ではないが、僕の司法試験の成績は、蓋…
裁判は一人じゃできない~「当事者の立場で答えよ」に込められた出題者の狙い~
先日、Twitter上で、概略以下のような意見をいただいた。 「事例問題の問い方は、「あなたが裁判官なら、どういう判決をするか」だけでよい。わざわざ当事者の立場での主張を問うのは、受験生に余計なことを要求しているだけである。」 果たして、当事者の立場からの立論を問うのは、どういう意味か? 司法試験では、憲法の問題が典型的だが、当事者の立場からの立論を問うものがしばしば出題される。今回は、そのような問…
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