オーロラソング 5 (終)

オーロラソング 5 (終)

ページを捲った時にふと、目を落としている本に差し込んでいる茜色の光が目についた。 何気なく視線だけを窓へ向けると、窓から沈み掛けながらも一際に眩い西陽が私の目をすがめさせる。最近は陽も延びてきたから、これでももう結構な時間なんだろう。「んぅー……んっ」 手元の本を一旦置いて、猫のように丸まっていた上半身を伸ばす。凝り固まっていた背中と首でポキリポキリと音が鳴って、口からは息が漏れ出た。あぁ、やっぱ...