弱くて強い 下

弱くて強い 下

天気予報がどうだったのかは知らないけれど、今私達の頭上の空を覆う雲は欠片一つほどもなく、私達のいる休憩所にも清々しい陽が降り注いでいる。けれど今は一月の後半ということで、いくら日が柔らかかろうとそんなものは気休めくらいにしかならないくらいに肌寒く、時折風なんて吹いた日には思わず上着の襟に首を埋めてしまうほどだ。 それなのに掌は何故かじっとりと汗ばんでしまっていた。けれど、私はその理由を考えてし...