91.ラーマーヤナ(रामायणम् [rāmāyaṇam])- ラーマの人生を題材にした文献
伸ばす母音に注意しましょう。 ラーマという名の王子の人生を描いた物語(アヤナ) ですから、 ラーマ + アヤナ = ラーマーヤナ となります。 母音の長短に気をつけましょう 長短を無視して、日本では「ラマヤナ」とか、 ラテン系だと「ラマヤ~ナ」など、いろいろ間違われているようですが、 正確には「ラーマーヤナ(रामायणम् [rāmāyaṇam])」です。 最初の2つの音節が長く、続く2つの音節は短く発音します。 ちなみに、最後の「ナ」 は舌を内側に反らして発音します。 詳しくは、下の「文法的な説明」 を参照してください。 サンスクリット語には、母音の長短の違いで 意味が全く変わってしまう単語が多々あります。 そしてなにより、口伝により継承されて来たサンスクリット語においては、 発音の正確さはとても重要ですから、 ひとつひとつの音を、マインドフルに発音しましょうね。 日本でよく見かけられる、母音の長短の間違いが起きている言葉は、 ヴェーダーンタ、サードゥ、プージャー、プラーナーヤーマ、等々でしょうか。 特に、短い i と u で終わる単語の最後が伸ばされているのと、 長い ā で終わる単語の最後が伸ばされていないのが気になります。 あと、日本語の小さい「ッ」のように、詰まるべき音が、 日本人の場合、詰まっていない、というのも気になります。 サティヤ、ニドラー、等々、このタイプはたくさん見かけます。 文字だけ追いかけて、きちんと耳から学んでいないから、なのでしょうね。 伝統的な学びをおろそかにしているから、劣化していくのです。 ちなみに、1拍の長さの母音は、ह्रस्व [hrasva]と呼ばれ、 2拍の長さの母音は、दीर्घ [dīrgha]と呼ばれます。 発音する時は、長さの区別をしっかり意識して、 正しい発音を身につける努力をしてください。 ラーマーヤナという言葉の意味と語源 「ラーマ」とは、今でも存在するインド北部の都市アヨーディヤーの、 ダシャラタ王の息子である、王子の名前です。 「ラーマ(रामः [rāmaḥ])」の語源に関しては、 それだけでひとつの記事になるので、後日書きますね。 ヴィシュヌ神が、人間にダルマとは何かを体現して見せるために、 「ラーマ」という人間の姿をしてこの世に表れ
2018/09/11 23:28