ボクだけの一輪の花~エリート補佐官子爵令息と平民女騎士のお見合い婚 59
「ネイト」 ポカンとしている間に先ほど頼んでいたつまみが到着して、給仕が来たついでにナサニエルまでもが酒を頼んでしまっている。 「いいよ、って言ってないけど?」 「ダメですか?」 おねだり顔があざとい。 奇麗な顔でへの字に下げた眉と上目遣いにキュンとしてしまった。 いくら美形でも、いかつい系の男前ではこうはいかない。 ――いや、そうでもないか? 迷走しかけ、しかし、ゴホンと一つ咳払いをして...
2023/06/27 06:00