眠り
眠りは不思議な生き物毎晩欠かさずわたしのもとを訪れるわたしになんの取り柄もなく創造力のきらめきもなくつまらなくても闇の中にそこだけほのかな意識となったわたしに両側から黒い腕をからめて広く柔らかな背中に乗せ暗い世界で音楽のように飛翔する境界は波のように定まらず眠りはあいまいな生き物だから温度を感じられることは稀誰かの話を聞いているけれど粒はあいまいになりそれは縁がレース飾りのように波打つ切手ハルだけで満たされているわたし自身の道のりで詩にはなかなか出会えないけれど眠りがどれほど大きなポケットを備えているのかは計り知れない成長していく家や美しい階段とっておきの感情を素朴に用意しておく込められたメッセージが閉じられた循環でありながらどこからでも出たり入ったりして浸潤の容易な膜のように「印象」という形を受け取り与...眠り
2023/10/24 21:21