朝の重力

朝の重力

眠りが記憶を洗って目覚めれば軽くなっている薄らとひらく部屋は明るんでいる大きく揺らいでいた価値観感覚という芯のもとに戻ってくるとても地味だけど落ち着くこうして一日一日と皺を重ねながらもまたさまざまにひらいていく希望を一日一日また薄めながら次第にまざっていく色合い誰の心を染めることなくても文字になることができればまたわすれられてもきっと部屋に訪れた空の明るさを見ていたレンズのような透明なわたしが残っている朝の重力