アトランティス物語15〜再会
再会カルディアとすれちがうように入ってきたその男性を見たとき、勝手に涙があふれてきた。その男性がニルだと、聞かなくてもわかっていた。そして、ニルと呼ばれる男性がかつて水の国で沈む前に科学省に行って再度、「一緒に山に登ろう」と話す私に、「黙って家に帰りなさい、明日になればまた太陽が昇るから」と、笑って答えたことがあることも、私には瞬時にわかってしまった。「とてもとても会いたかった」と、それだけ言うと私はニルの手を取り、ただ涙に暮れた。「一体どうしたんだ?ルルウ。私たちは今朝別れたばかりじゃないか。今の君は、まるで何百年かぶりに再会した恋人みたいだぞ」ニルは笑ってそう言った。「ほんとうにこの子は時々こうなるのよね」イリスとニルは困った様子で顔を見合わせくすりと笑った。何百年ぶり?時間の感覚が私はすっかりおかし...アトランティス物語15〜再会
2025/02/28 23:17