「続・夢幻章伝」102
「ねえ、これであっているのよね?(小声)」「ここの人が云ったんだから間違いないだろ(小声)」「ふたりとも、静かにするキコ(小声)」変顔なう。こほんと咳払いをする東一族の宗主様。まとっているオーラが違いすぎる。でも、変顔をするべきだ、とそう云う結論に至った。「どうでひょう!!」「これで笑えまふか!?」動かない空気。宗主様の顔は若干上半分が青ざめている。「まあまあまあ、お客様!!」慌てて出て来る付き人は、お茶を持っている。「宗主様はとりあえずお茶でもどうぞ!と!!」「えっ!!」「何も云ってないけど!!」「さすが、普段から身近にいる人は何でも以心伝心キコ!」3人は縁側に腰掛け、お茶をすする。広い庭。手入れされた庭。かっぽーーーーんどこからか、ししおどしの音。聞こえるのはそう、自然の音のみ。大都会の喧噪を離れ、ゆったり...「続・夢幻章伝」102
2022/02/22 22:57