ホスピス・緩和ケア・グリーフ(悲嘆)を専門としている、米国認定音楽療法士です。
このブログでは、医療や音楽療法に関わってない方でも理解できるような方法で、音楽療法、緩和ケア、グリーフなどついて書きたいと思います。
ホスピス音楽療法の実践。自己認識の深化がクライエントとの信頼関係の源であることや「バーバル・プロセシング」について説明します。
日本語版ウィキペディアで「歴史修正主義」が広がる理由と解決策
日本版ウィキペディアにおける歴史修正主義の現状、この問題が起こる理由、解決策について説明します。日本語版ウィキペディアは偏った内容やディスインフォメーションで溢れています。第二次世界大戦中の戦争犯罪を「ホワイトウォッシュ」(物事をごまかし、事実を隠す)しているのです。
大切な人の「自殺」は複雑なグリーフにつながる場合がありますが、「その人の精神状態」も要因として考えられます。精神的にバランスがとれていなかったり、過去に複雑なグリーフを経験したことがある人は、喪失に対応できないかもしれません。喪失がきっかけで、別の問題が浮上する可能性があるのです。
心の回復とは、自然な発達過程であるものを解放するんです。ヒューマニズム的な考えで言うと、自然に任せれば、人は最大限の可能性を達成します。でも邪魔が入ったり、トラウマを経験したり、人間関係の問題に巻き込まれたりしますよね。そうすると、自然な成長の流れが妨げられるんです。
数日前、「死んでいて、生きている」複雑なグリーフ:『帰還:父と息子を分かつ国』という記事で、グリーフ(悲嘆)と「曖昧さ」の関係について書きました。一般的に、死者との関係性や死を取り巻く状況が曖昧である場合、グリーフが複雑 […]
NHKラジオ「高橋源一郎の飛ぶ教室」で拙著『ラスト・ソング』(ポプラ社)が紹介されました。
今回、日本音楽療法学会認定音楽療法士の小森亜希子さんにゲストブロガーとして記事を投稿いただきました。現在小森さんは、札幌の老人保健施設に勤務されています。 自分を感じること by 小森亜希子 […]
これを英語では、"intellectually dishonest"(知的に不正直)と言います。
『戦争の歌がきこえる』が出版されてから、お爺さんが太平洋戦争で戦死した方や、何らかの理由で徴兵を免れたた方などからメッセージが届きます。ある女性のお爺さんは戦争で亡くなったため、一度も会うことができなかったそうです。また […]
柏書房のwebマガジン「かしわもち」に記事を投稿しました。戦後75周年、戦争経験者の多くが亡くなっていく中、どのように記憶をつなぐかが問われています。でも、その前にまず、私たちの知っている第二次世界大戦を越えて、この歴史 […]
若い音楽療法士さんから『戦争の歌がきこえる』の感想をいただきました。その中にセラピストとして大切な事柄が書かれていましたので、一部を紹介したいと思います。 アメリカの方はWWIIをJust War(正しい戦争)であったと […]
8月8日(土)に『戦争の歌がきこえる』の刊行を記念したオンラインイベントを開催します。ゲストは税所篤快さん、徳瑠里香さん、徐東輝さん。Zoomはよく使っていますが、こういうイベントは初めてですので楽しみにしています。 ど […]
本日『戦争の歌がきこえる』が発売になりました。私がこの本を書こうと思った理由について、柏書房のwebマガジン「かしわもち」に書きましたので、ご一読ください。 ★ 私が「戦争の歌がきこえる」を書いた理由 ↓ https:/ […]
文化放送「斉藤一美のニュースワイド~サキドリ~」に出演します
7月13日(月)15:30より放送開始の文化放送「斉藤一美のニュースワイド~サキドリ~」に出演します。番組内の「世の中SAKIDORI~SAKIDORI 最前線」のコーナーで、新刊『戦争の歌がきこえる』(柏書房)について […]
ホスピスの看護師さんから質問が届きました。大切なテーマですので、ご紹介します。 ホスピスで働き初めて数年目になるのですが、その中で少し引っかかっていることがあります。それは患者の気持ちよりも、残された家族の気持ちを大切にしないといけないと考えるスタッフがいることです。今までもその辺はひかかっていて、前に佐藤さんがアメリカでは残される家族よりも患者自身の気持ちが優先されていると話されていたことを思い出しました。患者自身の思いを優先した後の残された家族の反応というのはアメリカではどういった感じなのですか? 事実、日本の医療や介護の現場では、患者さんよりご家族の気持ちが優先される傾向があると思います。でも、患者さんが穏やかな最期を迎えることができるようサポートするのが最も大切で、最終的にそれは家族にとっても “peace of mind(心の平和)”をもたらすと思います。 後悔のない「看取り」はある? 日本では「後悔しないための看取り」という観念が根強くあります。友人の同僚が、患者さんよりも残された家族の気持ちを大切にしないといけない、と考える理由もそこにあるのでしょう。 でも、「後悔」はグリーフ(悲嘆)において避けられない感情です。どんなに献身的な介護をしても、大切な人が亡くなった後は何等かの後悔や罪悪感が残るものです。そのため、医療・介護従事者は「家族に後悔させないためにはどうするか」ということよりも、「家族のグリーフをどう支えていくか」に焦点を当てる必要があると思います。 医療における主人公は誰? 終末期ケアでは難しい問題がたくさんあります。これはアメリカでも同じですが、誰の希望や気持ちを最優先すべきかは明確で、問題になることは稀です。というのも、欧米の医療現場では、患者さんのニーズに対応し、彼らの権利を尊重することがよいケアであると考えられているためです。 つまり、医療者や家族は患者さんを支える立場、つまり「脇役」であり、「主人公」はあくまでも患者さんなのです。文化の違いはあっても、この点は世界共通だと思います。 でもそれは、家族の気持ちを大切にしないということではありません。むしろ、ホスピスケアとは、末期の病気を患う患者さんだけではなく、家族にも提供されるケアそのものを指します。それを行うのは簡単なことではありまんので、そのためにソーシャルワーカー、カウンセラー、チャプレン、音楽療法士など心のケアを専門として
先日、読者から下記のメッセージが届きました。亡くなったお父さんに「許されなかった」ことに心を痛めている方からです。今日は「許すとはどういうこと?」という彼女の質問について考えてみたいと思います。まずは、彼女からのメッセー […]
中学時代の同級生から突然連絡が来て、数日前お母さんが亡くなったと知った。「聴覚は最期まで残る」ことを知っていて、お母さんが亡くなる前にお礼の言葉をかけたら、うなずいてくれたそう。これからは家族と「グリーフ」と向き合ってい […]
“When a Music Therapist Grieves(音楽療法士がグリーフを経験するとき)”という記事が、米国音楽療法学会誌 Music Therapy Perspectives の最新号に掲載されました。今回の号は、音楽療法におけるEthics(倫理)に焦点を当てたものです(音楽療法にも「倫理綱領(Code of Ethic)」というものがあります)。 私はセラピスト自身のグリーフ(悲嘆)をテーマに、それに伴う倫理的な問題について書きました。 セラピストがグリーフを経験している時、グリーフと向き合う患者さんやご家族をサポートすることができるか? セラピスト自身がグリーフで悩んでいる時、効果的なセラピーを提供することが可能か? 音楽療法士も人間ですから、家族の死やグリーフなどを経験します。それがどのようにセラピーに影響を与えるかを考えることは大切ですが、あまりリサーチされていないテーマですし、オープンに語られることも少ないと思います。この記事が何かのきっかけになればと思い、書きました。 兄の死後、私がグリーフを乗り越えていく(get through)きっかけとなった出来事のひとつに、ある患者さんとの出会いがありました。拙著「ラスト・ソング」で紹介した時子さんという女性です。彼女は沖縄戦を経験し、戦後アメリカに移住した人でした。人生の最期に過去の記憶に悩まされていた彼女の葛藤や回復を目の当たりにしたことが、自分のグリーフを理解し、向き合う(work through)ことにつながりました。 そのことについても今回の記事で書いたので、彼女のストーリーを英語圏の人にも紹介できたことが嬉しかったです。記事は英語ですが、Abstract(要旨)はこちらになります。
このパンデミックは世界大戦のようなものだ。でも今回は、私たち全員が同じ側にいる。 これは、ビル・ゲイツが自身のブログ記事に寄せた言葉。でも、この危機感がすべての人に伝わっていないと思う。アメリカでも”Soci …
今朝、あるメッセージが届きました。大切なことを思い出させてくれる文章でしたので、ご紹介します。 一昨日、父をがんで亡くしました。それまでは健康でしたが、昨年12月に異状を訴え、入院生活が5か月目を迎えようとしていたところ …
ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモ氏の記者会見は、日本でも放送されているので見た事がある人も多いと思う。トランプ大統領の新型コロナウイルス対策が激しく非難されている今、アメリカ人の多くは大統領の会見ではなく、クオモ …
マインドフルとは、「何かに気づく」という意味で、穏やかな気持ちを生み出すために、今この瞬間の体、心、感情に気づくことを指します。
新型コロナの影響で、病院や老人ホームは面会禁止になっている所が多いと思います。アメリカでも同じ状況です。 そのことで、特に認知症の人たちの中には、混乱していたり、悲しんでいる方も多いかもしれません。介護現場で働いている方 …
たまにnoteを更新しています。 今日、「新型コロナウイルス ~海外メディアからの情報」という記事を更新しました。 手洗いとハンドサニタイザー(消毒液)はどちらが効果的? マスクの効果とリスクとは? 不安になっている方も …
「起こるかどうかの問題ではなく、いつそれが起こるかの問題だ」 数日前、CDC (Centers for Disease Control and Prevention、米疾病対策センター)が新型コロナウイルス(COVID- …
感染が疑われる際に気をつけるべきことや、手洗いやアルコール消毒などの家庭でできる感染対策の基本について。
「記憶の穴(メモリーホール)」と表現されることもあり、それはまさに当時の私が抱いた感覚だった。
BLISS #18 Interview with Keiko Chida エピソードはこちらからお聴きください ↓ ▷スタート、ストップ ⑮早送り、巻き戻し Webサイトで聴くよりも下記の方法が聴きやすいと思います。 …
自分のグリーフとの向き合い方について2つのポイントをご紹介します。
インチキ本に騙されないために、できることは何だと思いますか?
音楽療法士が「ボランティア」として音楽療法を提供するのは良いこと?
医療や介護の現場でよく耳にするこの言葉、一体どういう意味なのでしょうか?
本来、人生会議はこのようなものだと思うのです。
グリーフについて何よりも大切なことを教えてくれた女医さんの物語です。
心の傷を持っている人が音楽療法士を目指すことは可能?
グリーフに限らず、心の葛藤はその中を通り抜けることによって、向こう側に辿り着くことができます。
ヤマネコがクマの気持ちに寄り添い、バイオリンを弾くことによって、クマは亡くなった小鳥との楽しい日々を思い出し、また新たな世界を歩き始めるのです。
バッファロー(アメリカンバイソン)に遭遇 ネブラスカの真夏の日差しから逃れるため、サウスダコタ州に来ています。昨夕、ウインドケーブ国立公園をドライブしていたところ、バッファロー(アメリカンバイソン)に遭遇しました。バッファローの群れを遠くから見たことはありますが、近くで見たのは初めてです。 車の窓を開けてビデオを撮影していると、突然バッファローが近づいてきました。食べ物をもらえると思ったのか、車内にいた愛犬むつに興味を持ったのかもしれません。むつは最初気づかず、ハエを捕まえようと必死になっていたのですが、バッファローが接近してくるとかなり驚いたようです。 バッファローダンスの神話 昔アメリカには沢山のバッファローが住んでいて、先住民族のネイティブ・アメリカン(アメリカン・インディアン)にとってとても大切な動物でした。彼らにとってバッファローは単なる食糧ではなく、洋服、靴、道具などを作るのに必要不可欠であり、神聖な動物と考えられていました。そのため、バッファローにちなんだ歌、踊り、神話が沢山あります。 中でも私が好きなのが「バッファローダンス」と呼ばれるブラックフット族の神話です。こんな感じのお話です。 ある年、ブラックフットの人々はバッファローを狩ることができず、困っていました。そこで、ある猟師の娘はバッファローの谷に行き、懇願しました。 「お願いだから谷に降りてきて、人々の食糧になって。そうすれば、その引き換えにバッファローと結婚するわ」 こうして娘はバッファローのお嫁さんになりました。 心配した娘のお父さんは、娘を探してバッファローの谷にやってきます。すると、バッファローたちはダンスを踊り、お父さんを殺してしまいます。娘は嘆き悲しみ、バッファローの夫に言います。 「あなたは私のお父さんを殺したのよ。しかも私は捕虜でしかない」 「僕たちはどうだい? 僕らの子どもや、お父さん、お母さん、妻や夫が殺されているんだ。なのに君は、お父さんのことで泣いている」 バッファローの夫はそう言って、娘に語り続けます。 「でも、もし君がお父さんを生き返らせることができたら、自由にしてあげてもいい」 娘はカササギにお願いして、お父さんの骨の一部を持ってきてもらいます。そして、骨を地面に置き、その上に毛布をかけ、優しく歌を唄いました。その歌は、死者を生き返らせる力のある歌で、お婆さんに教えてもらった歌でした。 しばらく唄った後、毛布の
今回のテーマは「自分を許すこと」。
この3年間でグリーフを経験したと答えた人は、1084人中780人でした。
知識の唯一の源は経験である。
音楽療法のセッション中に、患者とセラピストの脳がシンクロすることが新しい研究によって確認されました。
愛する人の死を、頭では理解していても、心では受けとめられていないのである。
このオウムは自ら振り付けを習得しており、14種類の振り付けがあることが判明しました。
失敗や力不足を感じたとき、自分を思いやり、マインドフルネスを実践すること
8月9日(金)名古屋音楽大学でアラン・タリー博士による音楽療法公開講座講座が開催されます。
終末期ケア(エンド・オブ・ライフ・ケア)の現場に音楽療法士が関わることで、ケアの質も向上すると思います。
私たちが今気づいていることは、精神(Mind)のほんの一部に過ぎないのです。
逆転移はとても難しい観念なのですが、大まかに3つにわけることができます。
母は【Doing】を求めていない。【Being】を望んでいるのだ。
音楽療法を通じての「スピリチュアルケア」や「癒し」をテーマに講演します。
講演会では音楽回想法、スピリチュアリティー、心のケアなどをテーマに、ホスピスケアにおける音楽療法のお話をします。
音楽を通じて、人は人生の最期にどのように気持ちを共有することができるのでしょうか?
訪問歯科のお仕事、食事介助のスキル、認知症の方との接し方、などについてお話を伺います。
この度、ポプラ社Webastaで「戦争の歌がきこえる」という連載を始めました。昨日、第1回目が更新されましたの …
4月25日には、シェリル・ディレオ博士(米国認定音楽療法士)の講演もあります。
音楽療法士ではないけれど、医療や介護の現場で「音楽」を取り入れている、もしくはこれから取り入れたい、と思っている方が対象です。
アメリカのカンザス州で活動している米国認定音楽療法士、中村紀子さんにお話を伺います。中村さんは、日本で短大を卒業後アメリカに留学し、カンザス大学で音楽療法を学びました。その後15年間、音楽療法士としてアメリカで活動しています。
6月22日(土)に表参道のLaClear(らくりあ)で、「医療や介護における”音楽”の …
名古屋音楽大学で音楽療法公開講座が開催されます。講師は、神戸大学准教授でノードフロビンズ音楽療法士である岡崎香奈先生です。
相手の立場になって考える Putting Yourself in Someone Else’s Shoes
共感とは口で言うのは簡単ですが、実際に行うのはとても難しいことです。
年末年始にずっとやろうと思っていていたことをしました。
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