丸次郎「ショート・ストーリー」

ショートストーリー1131

「もう閉店なの。また明日お願いします。」 午後7時に商店街へ駆けつけた雄太は、弁当屋のシャッターを下ろす女にそう言われ、うなだれた。 「すぐ買いますから、閉め…

2021/10/24 20:13

ショートストーリー1130

「何も思いつかないわ。．．．もう、ネタ切れなのよ。」 明美は、そう言うと、万年筆を原稿の上に置き、頭を抱えた。 隣でその様子を見ていた出版社の井出は、明美の細…

2021/10/17 23:38

ショートストーリー1129

「なんて言ったらいいのか、分からない。」 和男は、そう言うと雑誌を鞄に仕舞い、腕時計に目をやった。 向かいの席に座っている優子は、そんな和男の仕草を見て、「も…

2021/10/10 23:52

ショートストーリー1128

「弥恵さん。あなたを離したくない。．．．我が儘な私の最後のお願いだ。一緒に来てほしい。」 誠一は、そう言うと、弥恵のノースリーブの肩に手を置いた。 ホテルのラ…

2021/10/03 21:16