永遠も半ばを過ぎて

永遠も半ばを過ぎて

永遠も半ばを過ぎてすっかり冬籠りした白髪の山々に囲まれた古都は新たな一年を迎えても変わらぬ落ち着きを見せる町を埋め尽くす群衆、立ち込める人いきれ振り向けば道すがら辻説法そんなのも粋じゃあないかかつて生きた町、とても好きな町湧き上がる水を手で汲み口に運ぶ満ちわたるやわらかな空気を全身にまといいつか見た人魚の幻影を追うこの地に存在するすべてが常に変わらず古より残りそして、当然の所作が如く後世へ語り継がれていくあゝ、なんと逞しき生命のリレー変わらないことの重さを認識し残すべき血筋を確かに受け継ぎ伝えるべき何かを綴り、語るかつての若者はいつしかこの町の顔役にその生き様、それは思うにあるべきものをあらしめる覚悟と決意永遠も半ばを過ぎて万里の歩みの末に見出すものはきっと光の眩さと暖かさ古都を包むように照らし始めた朝日を浴び...永遠も半ばを過ぎて