chenge the world (1)
もしも世界が変わるのならあなたは何を望みますか「いつも何を見ているの?」冬の短い夕暮れが差し込む放課後珍しく教室に人影もまばらだったので聞いてみたことがあるずっと気になっていたのだ窓側に座る彼の視線の先愁いを帯びた瞳は何を映しているのか「別に、何にも」そう言って微かに苦笑する姿はやましいことなど一つもなく、寧ろどこか無邪気な感じさえした会話を断ち切ろうとするでもなく緩やかな彼のペースに一瞬で持っていかれるのは彼独特の不思議な雰囲気のなせる技なのかもしれない「外、見てること多いよね?そんなに学校嫌いって風にもみえないけど?」「嫌いじゃないよ、勉強にしろ部活にしろ今しかできないって思ったらそれなりに頑張る人だしねそれに僕は-」と視線を窓の外に向けたまま荷物を大急ぎで鞄に詰め込み始め「ごめん!」と片手で拝むポーズをし...chengetheworld(1)
2014/02/07 21:43