パウリンに導かれて《第13章6》

パウリンに導かれて《第13章6》

キールについての報告に訪れたシドが、ゼロから事の詳細を耳にしたのは正午過ぎの事だった。「何だって? なら婚約者は、お前だったって事か!?」「そうだ」「良かったじゃないか!!」声を弾ませ、肩を勢いよく叩きながら満面の笑みを浮かべるシドの姿は、心の底から親友の変化を喜んでくれている様子が伺える。「あぁ……。基本的にはな」だが、そんなシドに対するゼロの反応は、何処か含みのあるものだった。ゼロの態度に、少しの違和...