Open Water (書き直し)

Open Water (書き直し)

とても繊細な心を持つ青年の恋愛物語。移民の子として、若い黒人男性として生きる息苦しさもテーマの一つ。丁寧に丁寧にその心の内を描写してある作品です。著者は作家活動のほかに写真家としても活動している20代の男性で、この作品がデビュー作。主人公の青年はほぼ作者本人。詩的な描写や比喩が多く全体的に美しいけれど、ドロっとした感情の渦みたいのも含まれていて、こういうのを「純文学」って言うんじゃなかったっけ?とちょっとしばらく読んでいなかったような懐かしさを感じました。8outof10内容的には若い時に読んでたらもっともっとグッと来たと思うもので(19歳のうちの娘の評価は満点)、読者によっては、私が10代で夏目漱石の「こころ」を読んだ時の様に心揺さぶられるような作品かもしれないと思いました。文体の美しさで言えば、なんと...OpenWater(書き直し)