「あさご?」「朝に来るって書いて朝来。ほらここにある」PCで兵庫の朝来の地図裕美に見せた。「豊岡の南にある町?」「うん、兵庫県も広いよ。多分誰も知らない町だろ…
「いえ、今は私の方が小田島君に頼ってますよ。今の私は彼に引っ張ってもらってますから」裕美。「いいなぁ、私も彼氏とか欲しいな。でも部活があるから無理だもんね」志…
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「あさご?」「朝に来るって書いて朝来。ほらここにある」PCで兵庫の朝来の地図裕美に見せた。「豊岡の南にある町?」「うん、兵庫県も広いよ。多分誰も知らない町だろ…
「・・・明日」「明日?」「思いっきり抱きしめて・・・ね?」「今すぐにでも抱いてあげられるけど」「今はイヤ。真っ暗じゃないとダメなの」「真っ暗か・・・。よく分か…
「その・・・ね、・・・指切りして」どこか躊躇いがちな裕美が手を出してきた。「いいよ。また今回はどんな約束?はい、指きりげんまん・・・」そのまま右手同士の指きり…
「誰も起きてなかった?」「と思うけど」「そう・・・」吐く息も白いのが見えてきた。大丈夫だと思いながら足早に公園向かい着いた。誰もいなかった。急いで来たので少し…
元旦。眼が覚めたのは6時を過ぎたあたり。昨日何時に寝たんだろ?まだ暗いし寒い。トイレ行って、そーっと部屋から出てリビングに下りてみるとまだみんな寝てる。静かに…
「父ちゃんお風呂入っていい?」「ええよ。俺は最後でいい」「じゃ、入ってくる。もうすることもないし、紅白も始まるからそれまで志奈子とでも喋ってたら?」「うん、私…
「そうよ。志奈子ちゃんって可愛いもの。私だったらほっとかないし今は部活で忙しいから出来なくてもそのうちきっといい彼氏見つかるよ」裕美。「そうかなぁ。私別に彼氏…
姉ちゃんたちも帰った。ちょっとの間だったけど家族がいなくなるのは寂しかった。でも、こんなもんだ。第一姉ちゃんはもう嫁いで別の家庭の人になってる訳だし。でも、茜…
「いえ、今は私の方が小田島君に頼ってますよ。今の私は彼に引っ張ってもらってますから」裕美。「いいなぁ、私も彼氏とか欲しいな。でも部活があるから無理だもんね」志…
「お姉ちゃんも思うでしょ。裕美さんみたいな人がよりによってお兄なんかと付き合ってるって、前代未聞だよね」志奈子。「言える範囲でいいから教えてよ」姉ちゃん。「・…
「うーん、俺って元々明るかったよね?」俺。「どこが!?」姉ちゃんと志奈子。「熱くてとっても美味しいです。出来立てのお餅食べたのもしかして初めてかな?」裕美。「…
「茜ちゃん忘れてた。ずっとほったらかしてたからな」お茶飲んだ後、茜ちゃんはしばらく座っていたが、退屈になったのか俺たちのそばで腰下ろして小石を拾って一人遊びし…
公園着いたものの、「ブランコないよ」と茜ちゃんがむずかってきたので、「かくれんぼしようか?おじちゃんとお姉ちゃんで」「うん、しようしよう!」と言ってくれたので…
裕美も楽しそうだった。普段の食事はいつも一人のようだし、そうなると会話なんか出てこない。寂しい食事なんだろうな。少しでも俺の家族の会話聞いて仲間に入って欲しか…
「裕美さん、こんにちは。お久しぶりです!会いたかったです。でもお兄ちゃん!」「何?」「どうして連絡くれなかったの?裕美さん今日来るなら来るって!」「おかんには…
裕美は俺とおかんのやり取りをじーっと見てた。うん、まだ緊張してるんだろうと思って、「もう少ししたら姉ちゃんも来るから紹介するからね。こういうときだけウチも賑や…
「ただいま!」時刻はお昼前になろうとしていた。二人重そうなカバンを転がしながら玄関開けて叫んだ。奥からバタバタ音が聞こえて、「お帰り、お疲れ様」とおかんが出て…
「うん。でも優しい方なんでしょ?」「ちょっと冷たいかな?智さんと同じ24歳でもう2歳の子供がいるんだ。旦那さんは優しい人だけどね」「ふーん、でも鮫君のご家庭っ…
実は今回の帰省は、俺自身もとても緊張することが控えてた。二つある。一つは、俺の両親にはっきりと裕美と結婚することを伝えて了解もらうこと。おとんもおかんも裕美の…
今日は大晦日31日。待ちに待った?実家への帰省の日だ。昨日は俺も今年最後の洗濯とかして何かと忙しかった。年末年始は何もしなくてもバタバタしてる。多分今日もどこ…
「ここ座ろっか?」「うん」窓辺の明るい座席。陽も入ってくるので暖かく感じた。「・・・さてと、いつものコーヒーでいい?」「うーん、私も今日はアイス頼んでみようか…
クリスマスイブが終わっての翌日クリスマスの25日のことだった。裕美がお兄さんとの面談にこぎつけてくれた。裕美の積極さにはつくづく頭が下がる。アリガトな。お兄さ…
あー、駄目駄目・・・最っ低!あんな酷いとこ彼に見せてしまった。見っともないし恥ずかしい・・・。おまけにあのときは全然気持ち悪くなかったし、まだ平気で飲めそうな…
キスした後に、「鮫君・・・」裕美が俺の顔を覗き込んでた。「ん?」「私って鮫君の彼女よね?」「もちろん」「だったら・・・」「だったら?」「私のこと・・・」「裕美…
「こんなこと言っちゃ悪いけど・・・、俺は裕美にとって疫病神みたいなもんだった?」「全然違うよ!鮫君と付き合い始めて、初めて私自身がこれまでの私から脱却してるっ…
ハンカチは裕美の使ってるから俺が出すこともないと思ったが、ハンカチ取り出し、俯いたまま黙って泣きはらす裕美に「どうしたの?何でも話して。じゃないと俺も辛い」と…
・・・裕美は何故か黙ってしまい、沈黙の中の食事が始まった。裕美の顔つき・顔色共何か赤っぽくなっている。ひょっとしてお酒が回ってきてるのかとも思ったので、「大丈…
ホテルの人から「小田島様ですね。お待ちいたしておりました」と案内されて窓際の席に座った。ホテルの人から飲み物訊かれたので相談してシャンパンに決めた。そのままホ…
日に日に寒くなってきている。布団に潜り込むのがとても嬉しい。最初は寒いけど段々温もってくるあの感じが堪らなくいい。布団にずっと潜り込んでいたいがそれも中々出来…
やっと鮫君に言えた。でも、私が言いたかったことの半分も言えなかった。彼がいくつでどんな顔してて性格がどうだったかとか、無理やり行き合わさせられたデートのことと…
「ありがとう。誰にも言えないようなこと話してくれてホント嬉しい。でも、大丈夫。これからは俺が必ず守る。どんなことがあっても」「有難う。こんなこと話すの鮫君が初…
「うん」コップを取ってお代わりに行った。ふー、深呼吸した。・・・深刻過ぎる話。俺に話してくれた裕美のことを本当に大切にしなくてはいけない。ここまで聞いた以上も…
「さ、いくらでも召し上がれ、お姫様」「有難うございます、王子様」と裕美の口調は相変わらず。いつもと同じ日常なのだが、俺は違う。「・・・今日、早めに来てもらった…