ある日の朝のこと

ある日の朝のこと

車に轢かれたネズミを見た アスファルトに張り付いた毛皮 まだ生々しい血の赤さ 見事に圧迫され薄っぺらくなった命の 魂まではぺったんこにはなるまい お前はまだソコにいるのかい? なんとなく地上50センチ程を見つめてみる いや素朴な魂は浄化も昇華も早かろう 人間なんぞより純粋だもの キリスト教も仏教も神道もごった煮の脳みそで 勝手にネズミの成仏を祈る 毛皮と血の赤さ…