万里の短編集〜水曜日のお楽しみ　あるいは　猫の足音

新幹線の旅すがら−穂乃果と風子の物語

穂乃果がサンドイッチを頬張ろうと大口をあけた時、横に立っていた女性が話しかけて来た。それが風子との初めての出会いだった。始まりは3日前。その時、穂乃果は倉庫で…

2024/01/31 23:00

春風の中を颯爽と−亮太の物語

電話のむこうで風子の声がする。風子と最後に話したのはいつだっただろう。確か怪我をして陸上を辞めた年だ。岡山の祖母の元に里帰りした亮太は、幼くガサツだった風子が…

2024/01/24 08:15

吾輩は犬である−開かずの踏切で

吾輩は、犬である。名前は、まだない。ネームプレートにはmadder knight。吾輩が守っている姫は、名前をあかね、漢字で茜という。茜はmadder、騎士は…

2024/01/17 22:34

飛騨高山のバスツアー−風子の物語

肩にもたれかかり寝息をたてている花枝の重みを感じながら風子もウトウトと夢とうつつの間を行ったり来たりしていた。バスが大きく揺れ、目を開けると、車窓には雪をかぶ…

2024/01/10 23:30

一人ぼっちのお正月−すばるの物語

「う〜ん開運そばにしようか、でも寿そばもいいよね。迷っちゃう。」「私は初志貫徹、山菜そば。あ、やっぱり、きのこそばにする」通路を隔てた隣で女性二人が楽しそうに…

2024/01/03 17:40