オリジナル恋愛小説を掲載しています。
■伯爵家の箱入り娘は婚儀のまえに逃亡したい(完結) 伯爵令嬢のシャーロットはもうすぐ顔も知らないおじさまと結婚する。だから最後にひとつだけわがままを叶えようと屋敷をこっそり抜け出した。そこで知り合ったのは王都の騎士団に所属するという青年で——。
「シャーロット!!!」 アレックス・グレイは見晴らしのいいところに立つ大樹を見上げて、大きく手を振った。 その先には、立派な枝に腰掛けているシャーロット・グレイがいる。彼女はひらひらと手を振り返すと、軽やかな身のこなしで幹を伝って芝生に降り立ち、ふわりと愛らしい笑顔を見せた。「久しぶりね」「うん、元気そうでよかった」「しばらくこっちにいるの?」「二週間くらいかな」 アレックスはエヘヘと笑い、半年ぶ...
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