オリジナル恋愛小説を掲載しています。
■伯爵家の箱入り娘は婚儀のまえに逃亡したい(完結) 伯爵令嬢のシャーロットはもうすぐ顔も知らないおじさまと結婚する。だから最後にひとつだけわがままを叶えようと屋敷をこっそり抜け出した。そこで知り合ったのは王都の騎士団に所属するという青年で——。
「大学生になったら二人で住もう」 始まりは、翼がさらりと口にしたそのひとことだった。 隣を歩いていた創真は、思わず「えっ?」と聞き返しながら振り向いた。にわかには理解できなかったというか、信じられなかったのだ。けれども翼は至極当然のように言葉を継ぐ。「いずれ結婚するんだから構わないだろう」「いや、家からでも通えるのに何でわざわざ」「僕は早くあの家を出たいんだよ」「ああ……」 尊敬していた父親のひどく...
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