辰刻の雫 ~蒼い月~ 第196回
『辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~』目次『辰刻の雫~蒼い月~』第1回から第190回までの目次は以下の『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページからお願いいたします。『辰刻の雫~蒼い月~』リンクページ辰刻の雫(ときのしずく)~蒼い月~第196回翌朝しっかりとマツリを見送り、杠と二人乗りで岩石の山に向かった。馬を下りるとすぐに杠が棚から出してきた硯を持って二人で山に入って行く。作業場があればいいのだろうが、宿所を建てただけで作業場などない。もっとも杉山もそうなのだが。「お早うございます。今日もお邪魔します」「お早うっす!マツリ、マツリ様が許してくれたのか?」「はい。でもこちらには今日で最後になると思います。また道具をお借りします」紫揺の言った“今日で最後”さざ波のようなざわめきが起こったが、素知らぬ顔でノミを取りに...辰刻の雫~蒼い月~第196回
2023/08/28 21:29