猫の町
今日も向かいの小公園はひっそり静かです日が当たっているのに撒かれた除草剤で薄茶色に寒々と見える広場忘れられたようにしょんぼり立っている片隅の遊具たち。・・・ふっといつかどこかで読んだ小説の断片が頭に浮かびました。誰もいない町。夜になるとどこからともなく集まってくるのは猫ばかり。店を開き食べて飲んで踊って朝になると姿を消す。一人の青年が当てのない旅に出て、無人の駅に降り立ったのですが食堂にもホテルにもどこにも人っこ一人見当たりません。仕方なく勝手に泊まり込むと、夜になって姿を現したのは大勢の猫驚いてそっと隠れ、様子を見ることにしました。陽気に騒いでいた猫たちはそのうち人間の匂いに気づきます興奮して探し回り近くまで来ても見えないらしく、やがて朝がきて引き揚げる青年は危険を感じ見つからないうちに退去しようと駅に来たけ...猫の町
2020/05/01 16:09