北国では夏至が来ると、「あとは寒くなるだけ」と落胆する人を何人も見る。
いつもの場所にスリッパがない。奇妙に思いながら家の中を探してみると、トイレに腰掛けた時のまま置いてあるのを見つけた。用を足しているお化けと鉢合わせしたみたいですごく怖かった。
“ 私は日常の坦々とすぎさりゆく順序になにかを感じています。 ” 荒木経惟
また犬に二度見された。
西日が差し込む格安チェーンの床屋の中で、年配の従業員が手だけ動かしながら、表の日曜日の夕方を眩しそうに見つめていました。
台所の電気がつかなかった。ただ時々グローランプが光るのでそのままにしてみたら、なんと15分後に明かりがついた。光の速さで火星までが13分かかるから、天井が火星の少し先にあるのと同じだけのタイムラグだ。世界はロマンに満ちている。最寄りの電器屋
すごい安かった海苔がすごい薄かった。
あの年に生まれたあの子が使っているのは、大人になっても座れるとても素敵な椅子だ。
「sheep」は複数でも「sheeps」にはならないそうで、「広島カープ」が「広島カープス」じゃないのもどうやらそういうことみたいだ。
高層ビルの最上階に住む人に比べて、1階に住む人の時間は、少しだけゆっくりと経過します。地面に近い方が、わずかに重力が強いからです。
「こぺちー(気持ちいい)」 伊野日向子 2 歳 4 ヶ月
ランドセルを背負った男子がふたり、道路に寝そべって転校生の話をしていた。
傘をさしているのが弱虫みたいだなあと空模様をうかがっている目の前を、勇敢なモンシロチョウがヒラヒラ飛んで行きました。
“ 傷ついたことがなかったかのように愛し、誰も聞いていないかのように歌え。”
わかっている中でいちばん大きい星がもし太陽の位置にあったら、地面は土星の公転軌道あたりにくるそうだ。
水道水が旬を迎えました。
子どもの頃から今もずっと、血管と血管の間には血が行かないから困るなあ、というのは思っています。
兵庫県のすこし不便な所にある、行った誰もが大好きになる会場で、日曜日からはじまる写真展に参加します。
痒けずにいるのだとしたらとても辛そうだ。
“ 本当の映画とは光だが、デジタルは電気だ。" アキ・カウリスマキ
洗いものの鍋の中のおたまの上で蛇口をひねるとあたり一面水浸しになることは、なぜかやる前には思い出さない。
おばあさんは川へ洗濯に、行きたくありませんでした。
公転周期の長い米や歯磨き粉や洗剤やシャンプーが同時になくなると、彗星や日蝕みたいなことをほんのり思う。
宇宙空間は電波で満たされていて、それは宇宙の膨張とともに波長が伸びた、かつてのビッグバンの光なんだそうだ。
絵みたいに写った。
ほんとうは夏が冷めただけなのに、手間ひまかけて冷やしたとしか思えないマイナス8度の夜の雪の川原をひとり走るのは、まるで自分が冷たい宇宙を進む人工衛星になったような気分だ。
ともあれ、時速10kmで追いかけてくるのろまなライオンから、1時間くらいは駆け足で逃げられるようになりました。
鳥が咲く木とキャベツスカイ。
スーパーのポイントがたまって500円券をもらったお祝いに、りんごと迷って梨を買いました。
洗濯機と家中の換気扇をまわしながら扇風機のまえに陣取ってじっとり思う。夏の電気代はぐるぐる代だ。
1本の針が1本の溝をなぞるだけでオーケストラの音がよみがえる不思議を、科学はもう解き明かしましたか?
ぼくに宿るキューブリックがそうさせました。
あと何回オリンピックが観られるかなあ、って指折るときに要る確からしい寿命なんか、木にはないのかもしかして。
四国の県名が全部言えるかどうかは体調次第だ、というのは去年までのことだったはずです。
「地球が公転に公転を重ねて積み上げた、平成はおろか21世紀さえもすっかり板についたっていうこの時代にあっても、せっかく早起きしてつくった弁当を忘れるというのは屈強な山男でさえそのタフなハートのその芯をぽっきり折られる悲しいできごとであるのだ
出てこい、ジェダイ。
握る手にもつい力が入る、ちっちゃい吊り輪。
「捕らえたか?」 「はっ。ガリバーと名乗り、敵ではないと申しております」
ふと砂糖を入れてみたのは、内緒だけど実はその方がおいしいはずと思ってたからで、なのに案外そうでもなかった。
でかいやつほど昼ながい。
「じゃあさじゃあさ、指味のえびせんとえびせん味の指だったら?」
なんと豆腐屋のラッパが響いて、実はあの音階が「ミーソー」だったら豆腐買えないねって掃除中に要らぬ心配。
冷凍庫からすっかり忘れてたアイスが出てきた感じ。はいはいはいはい、撮った撮った撮った撮った。
古い写真を見返していてそのころはなんとも思わなかったものにぐっとくるのを、「おれがおれに追いついた」と呼ぼう。
次に太陽が雲に隠れるのが何百年も先なら、この展望台だって歓声に包まれたはずなんだ。
100円ショップで「えっと、たとえば畳の上にカーペットを敷いたときに、滑らないように刺すでっかい画鋲みたいなやつありますか?」と訊くと、「滑らないように」の頃には無言で歩き出し、見事に商品を指し示した、愛想とは無縁の地味な店員さんが醸す、エ
テレビは映らない。飯炊きの土鍋を探している。そのうち柴を刈る山とか洗濯する川とか退治する鬼なんかが必要になりそうだ。
人だったらどういう状態なんだこれはっつって考えたところで、脳みそごときには至れないなにやらなんだろうきっと。
釣れない不安をさておいて、怪魚夢みて糸垂らす。できあがった写真を見るまでが、特にすんごくたのしいのです。
次にパイナップルを食べるとき、平松洋子さん曰く「百発百中の人気者」だという唐辛子シュガーを忘れずに試すこと。
切り倒せない巨木を前に、ある部族は、夜毎みんなでその木を罵倒するらしい。木は弱り、やがて倒れるんだそうだ。
あの50分の1秒の間のこの海の上っ面のゆらやゆらやゆらを一切合財。
さくらんぼか梅干しなんだろう。皿も灰皿もなくて、ただ、お誂えに窓が開いていたと。
人という字。
内野手だったので捕る前にヒットだってわかっている味わい深い球が飛んでこなかったってのは今さらに残念です。
涼んでばっかじゃねーかそここら。
「母さん、ああ、母さん、血だ・・・血だよ」
カメラが壊れました。もらったカメラで撮り始めました。光速ライフから、今日は1/200秒ずつ引っこ抜いときました。
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