払暁ノシラベ×秘密(4)

払暁ノシラベ×秘密(4)

私の育った家庭は、本来なら私のいるべき場所ではなかった。六歳のときに養子として引き取られて以来、十六歳までの十年間をここで過ごしたが、「養親と一人息子、そして私」という構図は、「あるはずのものが、私にはない」という現実を辛辣に突きつけるのだった。毎朝毎晩ナイフでえぐられるような辛苦に堪えねばならぬこと、それがこの先何年も続くこと、この境遇を作った当事者が私の実の両親であること、愛すべき両親を恨まね...