EPISODE 2 ドーマン伝説の村(11)
まあ、ワガハイの努力が功を奏したというか、何が功なんだかはよく分からんが、ともあれ尾路血先生、付け髭をセロテープでくっつけ、ドーマンさんの作務衣を着込んで、しげしげと鏡を見ていた。 ――どうかな、本当に似てるかな? ――そっくりよ、パパ。でも、口をきいちゃダメよ。 ――何でだ。 ――イントネーションでわかっちゃうのよ。さっきだって、電話ですぐにここの人じゃないってバレたぐらいだもの。話は私がするわ。 そう言いながら晴香が居間へと向かい、少したってから尾路血先生が重々しい動作で居間に現れる。 部屋の真中に三人の男女が座っていた。 真ん中に枯れ木のような老人、その..
2010/05/15 11:40