マーメイド クロニクルズ 第二部 第12章−5 アストロラーベの回想(再編集版)
「やはり責任を感じていたか」アストロラーベが言った。「シュルド殿が叱責を受けたのは、お主のせいではない。シュルド殿からは娘を救ってやってくれと頼まれているのだ。闘いを止めて、降参するつもりはないか、リギスよ」「おろかでありんす・・・・・・自由を求める歌姫に道理を説くとは。冥界の貴公子ではなく、冥界の詭弁士とでも名前を変えてはどうでありんすか?」「挨拶だな。よかろう。久々の闘い、もしやこれが最後になるやも知れぬ。道理を説くのは、勝負の後とすべきであったな」はたして何百年ぶりだろうか、戦士として闘うのは?不安と期待感で、全身の体毛が逆立ってくるのがわかった。同時に、リギスの魔力の強さを感じて、心の警戒警報が大きな音を立てて鳴りだしていた。しかし・・・・・・不思議だ。おそろしいほどの闘気を感じながら、殺気を感じない。...マーメイドクロニクルズ第二部第12章−5アストロラーベの回想(再編集版)
2021/05/25 00:00