chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
財部剣人の館(旧:アヴァンの物語の館) https://blog.goo.ne.jp/avantgarde-october

「マーメイド クロニクルズ〜第三部配信中!」「第一部 神々がダイスを振る刻」幻冬舎より出版中!

財部剣人
フォロー
住所
茨城県
出身
茨城県
ブログ村参加

2010/03/19

arrow_drop_down
  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第12章−5 アストロラーベの回想(再編集版)

    「やはり責任を感じていたか」アストロラーベが言った。「シュルド殿が叱責を受けたのは、お主のせいではない。シュルド殿からは娘を救ってやってくれと頼まれているのだ。闘いを止めて、降参するつもりはないか、リギスよ」「おろかでありんす・・・・・・自由を求める歌姫に道理を説くとは。冥界の貴公子ではなく、冥界の詭弁士とでも名前を変えてはどうでありんすか?」「挨拶だな。よかろう。久々の闘い、もしやこれが最後になるやも知れぬ。道理を説くのは、勝負の後とすべきであったな」はたして何百年ぶりだろうか、戦士として闘うのは?不安と期待感で、全身の体毛が逆立ってくるのがわかった。同時に、リギスの魔力の強さを感じて、心の警戒警報が大きな音を立てて鳴りだしていた。しかし・・・・・・不思議だ。おそろしいほどの闘気を感じながら、殺気を感じない。...マーメイドクロニクルズ第二部第12章−5アストロラーベの回想(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第12章−4 唄にのせた真実(再編集版)

    ガシャーン!リギスが歌い終わった瞬間、天が裂けて土煙にガラスの破片が降ってきた。破片は、あっというまに数千の鏡となって散らばった。「アストロラーベ。土煙空間で有利に勝負を展開するつもりだったのでありんしょうが、こちらも鏡地獄で対応させていただくでありんす」「よいのか?鏡はお主の本当の心も映してしまうかも知れぬぞ」「どういう意味でありんすか?」「お主が『悩ますもの』になったのは、父であられる責任の神シュルド殿へのコンプレックスであろう。もう呪縛から解き放たれても、よい頃ではないか?」「大きなお世話でありんす。冥界の貴公子と呼ばれても、未だに振られたマーメイドに操を立てている軟弱者に言われたくはないでありんす」「挨拶だな。私のことはなんと思われてもかまわないが、お主が『悩ますもの』になった由来には興味がある。お主の...マーメイドクロニクルズ第二部第12章−4唄にのせた真実(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第12章−3 リギスの戯れ歌(再編集版)

    実は、冥界の川の水には膨大な脳内物質が含まれていたのであった。ピュリプレゲドンの水の成分は、恐怖を感じる「闘争か逃走の物質ノルアドレナリン」と怒りを起こす「興奮物質アドレナリン」。その水が身体に入った相手は、恐怖と怒りに引き裂かれて燃え上がる。ステュクスの水には、落ち着きをもたらす「癒しの物質セロトニン」と恍惚感をもたらす「脳内麻薬エンドルフィン」が大量に含まれている。その水が身体に入ると、落ち着きと恍惚感に引き裂かれた味方は痛みを感じなくなった。アケロンの水には、ひらめきを起こす「記憶と学習の物質アセチルコリン」と「不安と恐怖を換気する物質ノンアドレナリン」が含まれている。その水が身体に入ると、ひらめきと恐怖に引き裂かれて相手は命が燃え尽きた。レテの水には眠気の「睡眠物質メラトニン」と快感を引き起こす「幸福物...マーメイドクロニクルズ第二部第12章−3リギスの戯れ歌(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第12章−2 責任の神の娘(再編集版)

    「第三の部屋へ移動しよう」アストロラーベが、土煙あふれる部屋に皆を誘う。「誰が私の相手をしてくれるのだ?」ドルガが答える。「冥界最高のネクロマンサーで『あやつるもの』アストロラーベには、冥界の道化師で『悩ますもの』リギスとの魔術対決と行こう。準備はよいか?」「待ちかねていたでありんす。冥界時代の力が使えぬマクミラより、アストロラーベは数倍歯ごたえある相手。リギス一世一代の歌声をお聞かせするでありんす」責任の神シュルドの娘リギスは、その竪琴の音色が神々や神獣さえ虜にしたオルフェウスの遠縁。オルフェウスには、アポロンの落とし子という噂があり、アストロラーベにとってもたやすい相手ではなかった。全員が部屋に入ると、目を開けていられないほどの土煙が荒れ狂っていた。「見届け人がこれでは困ろう」アストロラーベが右の掌を向ける...マーメイドクロニクルズ第二部第12章−2責任の神の娘(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第12章−1 ライムとスカルラーベの闘いの果て(再編集版)

    石になったスカルラーベが、ゆっくりとだが動いていた。「お前は不死身を呪いと考えているようだが、俺などずっと生きながら死んでいた。というよりも死にながら生きていたというか」喋りにくそうにそう言うと、身構えた。「元々、俺は骸骨の鎧の方が本体で、筋肉は見せかけだった。それが石に変わろうと、どれだけの違いがあるのだ。さあ、二回戦といこうか」大鎌を振り回そうとしたスカルラーベが、ふと気がついた。蛇姫ライムの顔が光っていた。涙が彼女の顔を覆っていたせいだった。「オオ、ついに見つけた。変身後の顔を見ても死なせずにすむ相手を・・・・・・」そう言うと、ライムはスカルラーベに抱きついた。「誰にも殺させない、スカルラーベ殿。嫌われてもよい。我が、これからずっとあなたを守る!」ライムの涙が、石になったスカルラーベの鎧にポタポタとかかっ...マーメイドクロニクルズ第二部第12章−1ライムとスカルラーベの闘いの果て(再編集版)

  • マーメイド クロニクルズ 第二部再編集版 序章〜第11章バックナンバー

    「第一部神々がダイスを振る刻」をお読みになりたい方へ「第二部序章」「第二部第1章−1ビックアップルの都市伝説」「第二部第1章−2深夜のドライブ」「第二部第1章−3子ども扱い」「第二部第1章−4堕天使ダニエル」「第二部第1章−5マクミラの仲間たち」「第二部第1章−6ケネスからの電話」「第二部第1章−7襲撃の目的」「第二部第1章−8MIA」「第二部第1章−9オン・ザ・ジョブ・トレーニング」「第二部第2章−1神々の議論、再び!」「第二部第2章−2四人の魔女たち」「第二部第2章−3プル−トゥの提案」「第二部第2章−4タンタロス・リデンプション」「第二部第2章−5さらばタンタロス」「第二部第2章−6アストロラーベの回想」「第二部第2章−7裁かれるミスティラ」「第二部第2章−8愛とは何か?」「第二部第3章−1スカルラーベの...マーメイドクロニクルズ第二部再編集版序章〜第11章バックナンバー

  • マーメイド クロニクルズ 第二部 第11章−9 ライムの受けた呪い(再編集版)

    スカルラーベが身構えた。まるで目の前の空気をつかもうとするかのように、交差して突きだしたスカルラーベの両手がブルブルと震えている。だんだんと、その爪が青白い光を帯びてゆく。すると巨大な岩でもひっかくように後ろ側へ、その爪が今度はゆっくり左右に開きながら引っ張られていく。ムッ、まずい。アストロラーベは、呪文をつぶやくと立会人たちを守るための思念バリアを張った。彼らを囲む半透明の幕が、ギリギリのタイミングで現れた。次の瞬間、スカルラーベが叫ぶと引っ張られていた腕の掌を返して目の前の空気を前方上空へ引き裂いた。秘技スーパー・バックドラフト!たちまち回りの空気が吸い込まれるようになくなって、ライムの姿が真空中に囚われたように見えた。次に、ライムを中心として強大なコロナが誕生した。バックドラフトは、火事現場で見られる現象...マーメイドクロニクルズ第二部第11章−9ライムの受けた呪い(再編集版)

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、財部剣人さんをフォローしませんか?

ハンドル名
財部剣人さん
ブログタイトル
財部剣人の館(旧:アヴァンの物語の館)
フォロー
財部剣人の館(旧:アヴァンの物語の館)

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用