一月三日

一月三日

お年玉のことで小3の次男が不満をぶちまけた。どうして兄ちゃんのお年玉の方が僕より多いんだ。おじいちゃんもおばあちゃんもおじちゃんもそうだ。いつも兄ちゃんの方が多い。僕はなんにも悪いことはしてないのに。いままでずっと我慢してきた。でももう許さない。長男のポチ袋もつかんだままリビングのソファーに毛布をかぶって泣きながら蹲ってしまった。こうなったら気持ちが落ち着くまで待つしかない。さてどう説明しようか。兄ちゃんは年上だからだ。答えになっていないぞ。昔から決まっている。誰が決めたんだ。兄ちゃんは勉強も難しいし、部活も大変だからだ。次男にとっても勉強は大変だろう。これならどうだ。小学生にたくさんのお金は必要ない。中学生にも必要ないぞ。どれも説得力に欠ける。落ち着いたので、とりあえず聞いてみた。金額が足りないのか、同じ金額ならいいのか。同じならいいと答えた。次男の目の前で二人のお年玉を足して、それを二等分にして見せた。そして二人に渡した。長男は文句を言わなかった。一月三日。おじいちゃんの実家から息子たちが帰ってきた夜の出来事だった。...