『詩編』感想
聖書の『詩編』には、たくさんの詩が収載されているが、そのうちの多くは、自分たちを迫害する敵への憎しみに溢れている。わが身を虐げる相手を敵とみなし、神に向かって彼らの排除を願う。そんな内容が目立ち、非キリスト者である私としては読んでいてげんなりした。自分と考えの違う相手を憎む心情は彼らにとっては、もちろん真実だと思う。だけど外野の人間としては、そういった一方的な視点には辟易するほかない。そう感じるのは、そういった心情の根底に自分は正しく、神の怒りに小さく縮こまり絶対帰依を表明していることこそが正義だという、狂信的な確信がほの見えるからだ。その選民思想というか、ルサンチマンの感覚が私には合わない。個人的には、相手を敵とみなす内容の詩や、神への絶対的な服従を表明する詩よりも、もっと素朴に神を讃える内容の詩が好ま...『詩編』感想
2025/03/12 22:34