第六章-2-
四国を制圧して、羽柴秀吉は姓を豊臣と変えた。 まだ九州を平定はしておらず、関東もいつ反旗を翻すのか分からない状況ながらも、ほぼ天下を統一したことになる。 「これから戦のない世の中になるんだろうか」 誰もが期待半分、不安半分の顔を見合わせては囁き合う。 「だけど、九州のほうはまだだろう?」 「北条も伊達も臣従したとは言えないらしいぞ」 平和になったと思いたい、けれど不安は拭いきれない。何しろ、戦乱の時代が長すぎた。平和な時代を知らないのだから仕方がない。 それでも備前から安芸にかけては平和だった。 小早川、吉川の両家を率いる毛利も四国に向けて水軍を出していたが、内地か..
2009/11/26 23:54