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蒼井冬星
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2009/04/28

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  • 恋の行方

    深夜 突然の雨に 君の手を引いて 駆け込んだカフェの軒先 君の髪が濡れて 黒いTシャツが さらに黒くなった その腕を引き寄せて 唇を重ねた 驚いた君は 一瞬身体を硬くしたけれど 何も言わずにいた きっと あの時から 君は 気づいていたんだね

  • 困った人々

    参ったな 人が死ぬのを見るのが好きな奴が 存在してるんだ それも 自分は安全な所にいてね 己の手を下さずにね 参っちゃうよな いつまでも そんなことが 許されると 思っているんだぜ 自分の考えだけで 世界が回っていると 本気で考えているんだぜ 参っちゃったよ

  • なお あなたを

    一陣の風が吹いて 水面に波紋を広げる あなたを知らずにいた頃には もう戻れない 愛にならずに 散っていった恋は 淋しげに涙を流す あなたを想うことも 忘れることもできずに

  • 黄昏に微笑む

    何処へ 行くの? うん 何処へ行けば いいんだろうね? 時折 淋しくなってしまうよ 僕には 何もないから

  • 恋心

    君の瞳に映る僕が 穏やかであればと願う

  • すれ違い

    道が違えば 通り過ぎていくだけ ただ それだけ

  • ターミナル

    「もう会えないの?」 その一言を飲み込んで 冷たい風の混じる 初秋の街を行く 「はじめから 分かっていた事だろう?」 ハンドルを握る手も離さずに わたしを見てくれずに そう言ったあなたに 何も言えなくて 明日から あなたを忘れて 生きていく

  • 下弦の月

    疼く頭を抱えて薬箱をあさる 見つけたアスピリンを頬張って 嚙み砕く 粉っぽさに眉を顰めながら 台所へ行き 蛇口から出る水を直接飲んだ 前髪にも 瞼にもかかる水に 悪態をつきながら シャツの裾で顔を拭く 足元には纏わりつく猫 「おまえはいいな、気楽そうで」 抱き上げて 耳元で語りかけると そんなことはないとでも言いたげに 「にゃ」と抗議の一鳴き 窓辺に腰掛けて 煙草に火を点ける 見上げれば 空には下弦の月 ああ 夜は 長いな

  • はてしなくブルー

    コバルトブルーの風にのって 見知らぬ鳥が あざやかな低空飛行 いつか眠りにつく時 君という夢を見るだろう それから それから僕は 空に堕ちる とめどなく流れる涙の海に 失望という船が浮かぶ 街に笑顔があふれていたのも もうずいぶんと昔のこと 堕ちた先が何処であっても 忘れはしないさ

  • はじまりとおわり

    はじまりは 誰が教えてくれたの おわりは 誰が決めてくれるの

  • 金木犀のかおる夜

    さよならを言って 後ろを向いた つかまれた腕を ほどけなかった 「帰るな」という あなたの顔を 見つめることができない 「愛してる」という あなたの声に 応えることができない 近づいてくる あなたの唇を拒むことも 心は どこにもつながらないのに

  • 方舟

    内なる目醒めは 世の終わり 陽は翳り 吹き荒ぶ風に 散りゆく雲 方舟は 静かに岸を離れる

  • 欠片

    失くしてしまった欠片を さがすのは もう やめよう そもそも その欠片だって 本当に存在していたのかも 疑わしいじゃないか?

  • 花占い

    バラの紅さが 目にしみて 見上げた空には 虹がかかる 君のすべてを 抱きしめるには どうしたらいいの

  • MISSING HALF

    いつ どこで 生まれたとしても めぐり逢えるさ 必ず だって 僕は 君だもの

  • Synchronicity

    君の瞳に 吸い込まれそうになる 愛してはいけないと 思えば思うほど 君の心に 僕の心が同化して

  • 君のついた嘘と 僕のついた嘘とでは どちらが 罪になるのだろう

  • 毛布

    泣いてばかりの君に 君の好きな歌を唄おう 寂しさに 心が晴れぬ時も あるだろう 理解されずに 苦しむことも あるだろう どんな時も 君の傍に 寄り添って 君の心を 抱きしめよう

  • 道標

    彼方へと続く 細く長い道 白く浮かび上がる その一本が 私を導く道標 私は 転ばずに歩けるだろうか 私は 止まらずに往けるだろうか 涙を流しても? 心を保ったままに? 君だけが 唯一 君だけが その答えを 知っている

  • 秘めた想い

    言えないこと たくさんあるよね 言わないことも 考えたって どうにもならない時もある それをあきらめだと 非難する人もいるけれど 時には 流れに身を任せることも 必要 だって 人間は小さすぎる

  • 何かを 手に入れたいなら 何かを あきらめなくちゃね ほら もう 君の鞄には 何も 入らないみたいだよ

  • 心残り

    遠くを見つめるあなたの瞳 氷の矢が心を貫く こみあげる切なさに 堪えかねて そっと あなたの傍を離れる 心残りを 責めるつもりはない けれど

  • Last Kiss

    桃色の唇に 一片の花 つないだ手に 寄り添わぬ心 せめて一夜の夢 接吻は 淡い檸檬の味がして 濡れた睫毛は 何を想うのか いとしいひと このまま 遠くへ行けたなら

  • 審判

    君が 知っていることを 知っている 君が 知らないだろうと 思っていることも 君が僕を どんなふうに 思っているかも 黒い気持ちを抱いて 僕を見ている君に 僕は 何も思わないし 何も言わない 裁きは 僕のすべきことではない 君の心が 君の行いのすべてを 見ているのだから

  • 砂利道

    君の声が 聴こえる 振り向けば 砂利道に映る 僕の影 愛だけでは 生きられない そう言った君の 柔らかな唇 どこまでも 重ならない ふたりの心

  • 心の河

    あなた いとおしさに 終わりはないの 振り向けば 戻れない河 切なさに 心を焦がして つないだ手が ただ ただ 離れぬよう 纏わりつく水の流れに 逆らって

  • ホントウノキモチ

    会えないこと 見えない気持ちに泣いて 彼の笑顔と つないだ手に笑って 多くを望みすぎたこと あの日のわがままに後悔した 彼はいつも 笑っていてくれたけど 本当は 泣いていたのかもしれない

  • Untitled

    何をしても いいんだよ ツケを払う「時」が くるだけさ 遅かれ早かれ

  • 無限の回廊

    夢から醒めた夢を 見るんだ 頭を垂れ 祈りを捧げるところで 目が醒める 振り向けば 捻じ曲がった時間が 追いかけてくる また 夢を見ている 醒めるように 祈りを捧げる 目が醒める そして また 醒めぬ悪夢

  • Flying Fish

    空飛ぶ魚の夢を見ている 雲の波に乗って

  • Blue Blue Blue

    さよなら わたしの青い鳥 蒼い空高く 遠くへ羽ばたいて 遠く遠く もっと遠くまで

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