大杉栄とその時代年表(530) 1904(明治37)年8月21日~23日 「鳴呼、何等の惨ぞ! その死骸は二重三重と重なり、四重五重と積み、或者は手を敵の銃台に掛けて斃れ、或者は既に乗越えて、敵の砲架を握れるまゝに死したるあり、さも苦しさうな呻き声の深き地の底より起るが如く聞えるのは、畳み重なった下に在る負傷者が発したのである。勇壮なる此の突撃隊が、味方の死屍を乗り越え踏み越え、近く敵塁に肉迫して、魚鱗掛りに突き入ると、忽ち敵の機関銃で、攻め寄る者毎に一々撃殺された為、死屍は数層の傾(なだれ)を打つて、敵塁直下に斯くは悲惨なる死骸を積んだのである。」(桜井忠温)
桜井忠温 大杉栄とその時代年表(529) 1904(明治37)年8月17日~20日 「勝たば黄禍/負けば野蛮/白人ばらの/えせ批判/褒(ほ)むとも誰か/よろこばん/謗(そし)るを誰か/うれふべき/(中略)/見よや黄禍/見よや野蛮/誰かささへん/そのあらび/驕者(けうしや)に酔...
2025/06/19 19:00