世紀末の女王(マザー) 第六話
泰司は岩に腰を下ろし、見るとも無く縦穴を見下ろしていた。 縦穴へは大洞窟内の空気が吹き込み、医療軍の制帽からわずかに出ていた前髪を なびかせている。 また、大洞窟のひび割れた天井からは、弱い光が線となって泰司の近くに 差し込んでいた。 それは、まるで泰司を空間ごと切り取り時間の流れを止めてしまったかのようで、 泰司の想いは過去に向かっている。 スローモーションで三名の少年が穴の中を転落していく…
2008/01/27 11:11
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